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micro:bit Lab.【マイクロビット】

micro:bit Lab.では、micro:bit【マイクロビット】に関する情報を紹介しています。

三端子レギュレーターTA48033S
3-7

電池4本から3.3Vを作る【電源回路】

2018-04-122018-04-12

三端子レギュレーターを使って、電池4本(4.8Vまたは6V)からmicro:bitの駆動に必要な3.3[V]を作ります。使用する三端子レギュレーターは、低損失型のTA48033S(TOSHIBA)です。

3-7-1.三端子レギュレーターとは

三端子レギュレーターは、入力(IN)・出力(OUT)・グランド(GND)の三つの端子を持つ低価格な電源ICで、安定化電源に必要な機能が集積されています。高い電圧を入力することで、必要な電圧を作り出します。オンボード用の電源回路に用いられることが多く、電源回路は比較的容易に作ることができます。電源回路には、三端子レギュレーターと発振を抑制するためのコンデンサーが必要です。

出力電圧には、5[V]・3.3[V]・2.5[V]・2[V]・1.8[V]などがあります。ここで紹介する三端子レギュレーターは、micro:bitを駆動するのに必要な電圧3.3[V]を出力するTA48033S(TOSHIBA)です。

入力電圧には、三端子レギュレーター自身の内部で降下する電圧分だけ高い電圧が常に必要となります。入出力間の最小電圧差(ドロップアウト電圧)は、製品によっても異なりますが1.5[V]程度、低損失型であれば0.5[V]程度となります。

(出力電圧 + ドロップアウト電圧) < 入力電圧

三端子レギュレーターは、入出力間の電圧差を熱に変換(損失)することで降圧するため、変換効率がよいとは言えません。また、出力電圧に対して入力電圧が特に大きな場合、発熱が増え、放熱するための放熱板(ヒートシンク)も大きなものが必要となります。損失が小さければ、放熱板なしで使用することもできます。放熱板なしで許容される最大損失は、製品のデーターシートで確認することができます。

図3-7-1-1.三端子レギュレーターTA48033S
図3-7-1-1.三端子レギュレーターTA48033S

三端子レギュレーターTA48033Sの特徴は、次の通りです。

  • 出力電圧:3.3[V]
  • 出力電圧精度:±3%(25[℃]時)
  • 最大出力電流:1[A]
  • 低スタンバイ電流:800μ[A](出力電流0[A]時)
  • ドロップアウト電圧:0.5[V]
  • 保護機能:過電流制限・過熱制限

3-7-2.用意するもの

表3-7-2-1は、この電子工作に必要な部品などの仕様・定格です。

表3-7-2-1.用意するもの(仕様・定格など)
品名 数量 仕様・定格など
micro:bit本体 1
プロトタイピングセット 1 KITRONIK-5609
三端子レギュレーター 1 TA48033S(TOSHIBA)
秋月電子通商(通販コード:I-00534)にて購入可能
※以下のコンデンサーが含まれたセットです。
積層セラミックコンデンサー 1 0.1μ[F]
電解コンデンサー 1 47μ[F]・35[V]
電池ボックス 1 単三型電池4本用
単三型電池 4 アルカリ乾電池1.5[V]、充電式ニッケル水素電池1.2[V]など
ジャンプワイヤー(オス-メス) 2 KITRONIK-5609に付属のもの
ジャンプワイヤー(オス-オス) 適量 秋月電子通商(通販コード:P-00288)にて購入可能

プロトタイピングセットとは、ブレッドボードとmicro:bitのエッジコネクターをピンヘッダーに変換する基板が一つになった製品で、micro:bitを使った電子工作がハンダ付けなしで簡単に始められます。

図3-7-2-1.プロトタイピングセット(KITRONIK-5609)
図3-7-2-1.プロトタイピングセット(KITRONIK-5609)

プロトタイピングセットには、必要なジャンプワイヤーが付いてきます。

図3-7-2-2.プロトタイピングセット(KITRONIK-5609)のジャンプワイヤー
図3-7-2-2.プロトタイピングセット(KITRONIK-5609)のジャンプワイヤー

BBC micro:bit用プロトタイピングセット

ブレッドボードを使用することで、ハンダ付けなしで電子回路の実験が簡単にできます。

表3-7-2-2は、電源回路を作るのに必要な工具の一覧です。出力電圧を確認するためのデジタルテスターを用意します。

表3-7-2-2.用意する工具(仕様・定格など)
工具 仕様・定格など
デジタルテスター 参考:オーム電機 TDX-200

オーム電機 デジタルマルチテスター 普及型 TDX-200

トランジスタチェック端子付きのデジタルマルチテスターです。

3-7-3.作り方

あらかじめ、micro:bitには何かプログラミングしておきます。LEDスクリーンにアイコンや文字が表示されるようにしておけば、通電時に動作が確認しやすくなります。また、パソコンと接続するためのUSBケーブルは、不要なので取り外しておきましょう。

では、早速作ってみましょう。まず、部品がすべて揃っていることを確認したら、プロトタイピングセットのブレッドボードが手前になるように置きます。このブレッドボード上に部品を並べて、micro:bitに近い電源ラインが3.3[V]になるように回路を作ります。

図3-7-3-1のようにジャンプワイヤーで配線します。ジャンプワイヤーはどんな色でもかまいません。図3-7-3-1では、同じ色のジャンプワイヤーが同じ長さを示しています。

図3-7-3-1.作り方(1)
図3-7-3-1.作り方(1)

次に、三端子レギュレーターと発振を抑制するためのコンデンサーを配置します。三端子レギュレーターと電解コンデンサーには向きがあるので注意します。三端子レギュレーターの中央の足がグランドなので、この足に電解コンデンサーのマイナス側を合わせます。

図3-7-3-2.作り方(2)
図3-7-3-2.作り方(2)

もう一度、回路に間違いがないか確認しましょう。電池4本をブレッドボードの手前の電源ラインにつなぎます。micro:bitに近い電源ラインが3.3[V]になっていることをテスターなどで確認します。大きな電圧がmicro:bitに加わると壊れる恐れがあるので必ず確認します。

図3-7-3-3.作り方(3)
図3-7-3-3.作り方(3)

電源ラインが3.3[V]であることを確認したら、micro:bitをつなぎます。これで電池から給電されます。micro:bitが動作すれば完成です。なお、micro:bitの背面にあるステータスLEDは、この方法で給電しても点灯しません。

図3-7-3-4.作り方(4)
図3-7-3-4.作り方(4)

完成した電源回路です。

図3-7-3-5.完成した電源回路
図3-7-3-5.完成した電源回路

3-7-4.解説

図3-7-4-1は、電源回路の電子回路を図記号で表した回路図です。三端子レギュレーターとその入出力側にコンデンサーを付加しています。電源として充電式ニッケル水素電池(1300mAh)を4本(1.2[V]×4=4.8[V])を使用した場合、出力電圧は実測で3.26[V]でした。TA48033Sの出力電圧精度は±3%なので範囲内です。

また、入力電圧4.8[V]・出力電圧3.3[V]・最大出力電流1[A]以内で使用する場合、放熱板なしで許容される最大損失以内に収まるので放熱板は必要ありません。上記の充電式ニッケル水素電池で、連続5日間ほどmicro:bitを稼働させることができましたが、三端子レギュレーターが熱くなることはありませんでした。

図3-7-4-1.電源回路の回路図
図3-7-4-1.電源回路の回路図

三端子レギュレーターの発振

図3-7-4-2は、同じ電源回路に負荷としてLED(電流制限抵抗値330[Ω])をつないだときの出力電圧のようすです。平坦で安定した電圧が出力されています。

図3-7-4-2.出力電圧のようす
図3-7-4-2.出力電圧のようす

図3-7-4-3は、同回路から発振を抑制するコンデンサーを取り除いたときの出力電圧のようすです。出力電圧が規則的な波状となっています。このような状態を発振と言います。LEDでは若干暗くなる程度の影響ですが、多くの回路で動作が不安定になったり、動作しないなどの悪影響があります。発振を抑制するためにコンデンサーの取り付けは必須です。

図3-7-4-3.出力電圧が発振するようす
図3-7-4-3.出力電圧が発振するようす

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ブレッドボードを使用することで、ハンダ付けなしで電子回路の実験が簡単にできます。

入門用に最適な低価格なデジタルマルチテスターです。

オーム電機 デジタルマルチテスター 普及型 TDX-200

トランジスタチェック端子付きのデジタルマルチテスターです。

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