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コンパウンドを使わず耐水ペーパーとコーティング剤で挑戦

ヘッドライトの黄ばみを除去してみた

2023-08-072023-08-07

ヘッドライトの黄ばみ除去を、耐水ペーパーによる研磨とコーティング剤の塗布により実施した作業記録です。

ヘッドライトの黄ばみを除去してみた

初度登録年が2006年の我が愛車。夏本番の直前、エアコンが温風しか吹き出さないことに気づいてディーラーに修理依頼。さいわい国内にパーツ(エアコンコンプレッサー)があるとのことで、すぐに取り寄せてもらい、10日ほど入院しました。その愛車を引き取りに言ったときのお話。

「だいぶヘッドライトが黄ばんできてますねー」

「そうなんですよ。これって交換するとどのくらいですか?」

「3万円です。」

「片方?」

「いえ、両方で。」

「明るさが足りなくなると車検通らないんですよね。」

「そうですね。規定の明るさに足りないと。」

「う~ん、車検までに考えます!」

黄ばんだヘッドライト
黄ばんだヘッドライト

5年以上前に一度、液体系の黄ばみ落としでクリーニングして以来、徐々に黄ばみが進行。気にはなっていたのですが、先送りしていたヘッドライトの黄ばみ案件。年末に車検が控えているので、重い腰を上げます。とはいえ、修理直後なので交換によるさらなる出費はお財布にやさしくない!ということで、自分で黄ばみの除去に挑戦。さいわいヘッドライトに傷や内側の曇りなどは見当たりませんでした。

耐水ペーパーで黄ばみ除去

本記事で挑戦する黄ばみの除去は、耐水ペーパーを使う方法。つまり耐水性の紙やすりでヘッドライトの黄ばみを削り落とします。大切なのでもう一度言います。黄ばみを削り落とします。はい、はじめて聞くと不安になりますよね。ヘッドライトを削るんですから。そして、耐水ペーパーで削りはじめたとたん不安MAXに!その過程は後ほど...

黄ばみの除去にもいろいろ方法がありますが、本記事では、耐水ペーパーのみで黄ばみを除去して、仕上げにクリアコーティング剤を塗布します。黄ばみ除去の過程で、超微粒子コンパウンド(研磨剤を含む液体)を使う方法もありますが、今回は使用しません。

用意するもの

耐水ペーパー(紙やすり)には、目の粗さに応じて「番手」と呼ばれる数字があり、数字が小さいほど目が粗く、大きいほど細かくなります。本記事では「#800」で黄ばみを削り落とした後「#1000」「#1500」「#2000」「#2500」「#3000」の5種類で削った表面を整えていきます。使用したのは、11種類・各3枚(合計33枚)がセットになったこちらです。

NESHEXST 紙やすり耐水ペーパー(中目・細目・極細目セット)

ヘッドライトの磨き、板金塗装の下処理、水場の清掃、研磨、サビ落としなど、多目的に使用できます。

耐水ペーパーで研磨するときにあると便利なのが当て木。耐水ペーパーを指で押さえながら研磨すると、一点に力が集中しがちですが、当て木があると、均等な力でやさしく研磨できます。

ホルツ サンディングブロックプラス

吸盤効果による優れた密着性により、サンドペーパー研磨作業時のフラットな面出しに最適です。

仕上げのコーティング剤は、研磨でできた細かな傷を埋めることで透明度を高め、表面を保護する役目があります。袋からシートを取り出してそのまま使える手軽なコーティング剤がこちらです。

耐水ペーパーで研磨するときに、ボディに傷をつけないようにマスキングテープでヘッドライトの周りをマスキングします。また、クリアコーティング剤の塗布時にも使用します。

3M 塗装用マスキングテープ

線部に沿ってキレイに貼ることができ、はがした際にのり残りがほとんどない。

このほか、研磨時に水を使用するので散水できるもの(洗車用の散水ホースや霧吹きなど)、雑巾を用意します。

手順

まず、使う耐水ペーパー(#800・#1000・#1500・#2000・#2500・#3000)を用意して、半分の大きさにカットします。私の愛車の場合、1枚(カットして2枚分)で足りましたが、ヘッドライトの大きさによっては2枚以上用意した方がいいかもしれません。耐水ペーパーの裏面に番手が記載されています。

なお、カットするときはハサミなどは使わないように。耐水ペーパー表面の砥粒により刃こぼれすることがあります。半分に折った後、裏から折り目に沿って定規を当て、ゆっくり切るのがおすすめです。

耐水ペーパーの裏面に記載された番手
耐水ペーパーの裏面に記載された番手

カットした耐水ペーパーは、サンディングブロックにぴったりの大きさです。写真手前の隙間に差し込んで、ぐるりと反対側に回せばセット完了です。

サンディングブロックにセットした耐水ペーパー
サンディングブロックにセットした耐水ペーパー

作業を始める前にヘッドライトを水洗いして汚れを落とします。次に、耐水ペーパーでボディを傷つけないように、マスキングテープを使ってヘッドライトの周囲をマスキングします。

周囲をマスキングしたヘッドライト
周囲をマスキングしたヘッドライト

サンディングブロックに#800の耐水ペーパーをセットします。ヘッドライトの表面と耐水ペーパーを水で濡らして研磨を始めます。この時、こまめにヘッドライトと耐水ペーパーの表面に水をかけ、削りかすを洗い流すようにします。力を入れず、軽く押し当てて一方向(上下)に移動するだけで十分です。しばらくの間、削られた黄ばみが、黄色い削りかすとなって浮き出てきます。黄色い削りかすがなくなるまで続けます。

ヘッドライトの黄ばみを研磨したときに浮き出る黄色い削りかす
ヘッドライトの黄ばみを研磨したときに浮き出る黄色い削りかす

#800で黄ばみを除去した後のヘッドライトです。黄ばみは除去できたものの、耐水ペーパーによる削り跡で真っ白になっています。ここで不安MAX!この後、耐水ペーパーの番手を上げながら、削り跡をならしていくわけですが、本当に戻るのだろうか?なんせ、失敗イコールすぐに3万の出費ですからね。

#800で黄ばみを除去した後のヘッドライト
#800で黄ばみを除去した後のヘッドライト

サンディングブロックに#1000の耐水ペーパーをセットします。同様に、ヘッドライトと耐水ペーパーを水で濡らして研磨を始めます。こまめに水をかけるのと、力を入れずに軽く押し当てることを忘れないでください。目安ですが、削り跡が細かく目立たなくなるまで研磨します。表現が難しいですが、手に伝わる感覚がシャクシャクからヌルっとした感じ(個人差あり)になります。まだ真っ白ですが、少しだけ削り跡が優しくなったように見えます。

#1000で黄ばみを除去した後のヘッドライト
#1000で黄ばみを除去した後のヘッドライト

#1500で黄ばみを除去した後のヘッドライトです。少し透明度が戻ってきました。

#1500で黄ばみを除去した後のヘッドライト
#1500で黄ばみを除去した後のヘッドライト

#2000で黄ばみを除去した後のヘッドライトです。急がずに丁寧に研磨しましょう。

#2000で黄ばみを除去した後のヘッドライト
#2000で黄ばみを除去した後のヘッドライト

#2500で黄ばみを除去した後のヘッドライトです。あと少し。

#2500で黄ばみを除去した後のヘッドライト
#2500で黄ばみを除去した後のヘッドライト

最後の#3000による研磨を終えたヘッドライトです。赤い服を着た私の映り込みもよく見えるようになりました。かなり透明度が上がりましたが、まだクリアーな感じではありませんね。でも、耐水ペーパーによる研磨はここで終了です。

#3000で黄ばみを除去した後のヘッドライト
#3000で黄ばみを除去した後のヘッドライト

マスキングテープを剥がした後、削りかすなどをきれいに洗い流します。水分を拭き上げて、しっかりと乾かした後、再度マスキングテープを貼ります。

コーティング剤の塗布前に再度マスキングしたヘッドライト
コーティング剤の塗布前に再度マスキングしたヘッドライト

コーティング剤に付属の手袋をして、袋からシートを取り出します。シートには、コーティング剤がしっかり含まれているのでそのままヘッドライトに塗布できます。ただし、思った以上にコーティング剤でひたひたです。シートを押し付けるとコーティング剤が垂れるので、軽く当てて動かすのがコツです。漢字の「一」を書くようにして、上から下まで順番に塗布します。

今回塗布するコーティング剤
今回塗布するコーティング剤

付属の手袋は、とても薄いので強く引っ張るとこんなことに。

破れた手袋
破れた手袋

一度目のコーティング剤塗布を終えたヘッドライトです。いかがでしょうか。クリアーな感じがよみがえりました。このまま10分間放置した後、2度目の塗布を行います。

1回目のコーティング剤塗布後のヘッドライト
1回目のコーティング剤塗布後のヘッドライト

2度目のコーティング剤塗布を終え、1時間経過したヘッドライトです。

作業完了後のヘッドライト(黄ばみの除去完了)
作業完了後のヘッドライト(黄ばみの除去完了)

作業前のヘッドライトをもう一度載せておきます。比べてみてください。

元の黄ばんだヘッドライト
元の黄ばんだヘッドライト

トータルの作業時間は2時間30分くらいでした。耐水ペーパーでの研磨・コーティング剤の塗布ともに、急がず力を入れず、ゆっくり丁寧にやるのがコツです。

やはり、黄ばみによりヘッドライトの光量が低下していたようで、夜間の走行時、体感できるほど明るくなりました。安全のためにも定期的に作業しなければと反省しつつ、作業の結果には大満足です。おめめパッチリ、かわいくなりました!

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