プチコン(SmileBASIC)を使ってみた
任天堂のゲーム機上で動作するBASICの開発・実行環境であるプチコン(株式会社スマイルブーム)を紹介します。プチコン(SmileBASIC)の5つの魅力とは?
プチコン
プチコンとは
プチコンは、任天堂のゲーム機上で動作するBASICの開発・実行環境で、株式会社スマイルブームが開発しています。図1-1は、ニンテンドーWii U上で動作しているプチコンBIGの画面例です。
2011年、ニンテンドーDSi/DSi LL/3DS対応のDSiウェアとして、初代プチコンの配信が始まりました。2012年、初代プチコンの後継としてプチコンmkII(マークツー)の配信が始まり、初代プチコンの配信が終了します。その後、プチコン3号(ニンテンドー3DS/3DS LL対応・2014年~配信中)、プチコンBIG(ニンテンドーWii U対応・2016年~配信中)が配信され、常に最新の機種に対応し続けています。現在は、プチコン4(Nintendo Switch対応・2019年~配信中)が最新バージョンです。
プチコンの魅力 その1【親しみやすいSmileBASIC】
BASICは、もともと教育用などを目的として、初心者向けに作られたプログラミング言語です。BASICと聞くと懐かしさを感じる人もいるかもしれません。1980年代を中心に発売された8ビットパソコンの多くには、BASICが標準で搭載されていました。スイッチオンですぐに使えるBASICで夢中になってプログラミングしたものです。
プチコンに内蔵されているSmileBASICは、当時のBASICの使いやすさ・親しみやすさをそのままに、任天堂ゲーム機の性能を最大限に生かした高機能で高速に動作するプログラミング言語になっています。当時BASICに夢中になった大人だけでなく、これからプログラミングをはじめる子どもたちにもおすすめできます。
図1-2は、プチコンBIG(ニンテンドーWii U)のEDIT画面(プログラムを作成する画面)です。上画面(テレビ側)に表示されます。
下画面(コントローラー側)には、キーボード画面が表示されます。タッチペンを使って文字の入力やキーの操作を行います。
プチコンの魅力 その2【強力なスプライト機能】
SmileBASICでゲーム作りをするのに欠かせない機能のひとつが、強力なスプライト機能です。スプライト機能とは、定義されたキャラクター画像を画面に表示する機能で、大量のキャラクター画像を同時に動かしたり、キャラクター同士の衝突を検出したりすることができます。図1-4は、SmileBASICにあらかじめ登録されてるキャラクター画像(一部)です。
また、キャラクター画像とは別に背景画像を表示することができます。図1-5は、SmileBASICにあらかじめ登録されている背景画像(一部)です。
プチコンの魅力 その3【高音質なサウンド】
SmileBASICには、高音質な効果音やBGMがあらかじめ登録されています。また、MML(Music Macro Language)を使って作曲したり、エンベロープ(アタック・ディレイ・サスティン・リリースの値)を設定して音源を作ることもできます。さらに、音声合成でしゃべります。
希望に満ちた冒険への旅立ちシーンや緊迫感あふれるボスキャラとの戦闘シーンなどで使えるBGMの一部を紹介します。
プチコンの魅力 その4【ゲーム機に合わせた進化】
プチコンは、任天堂のゲーム機が新しく発売されると、それに合わせてゲーム機の性能や機能を最大限活かせるようにバージョンアップしています。十字キーや各種ボタンに対応しているのはもちろん、最新のプチコン4(Nintendo Switch対応・2019年~配信中)では、Joy-Con・HD振動・モーションIRカメラに加えて、各種Toy-Conもサポート(公式サイトより)しています。
プチコンの魅力 その5【自分で作ったゲームが動く】
なんと言っても、最大の魅力は「自分の作ったゲーム(プログラム)が任天堂のゲーム機で動く」ことです。数種類のステートメント(SmileBASICの命令語)を覚えるだけで、画面に表示したキャラクターを十字キーで移動させることができるようになります。しかも、背景とBGM付きで!
簡単なプログラムと動作するようすです。EDITモードでプログラムを作った後、DIRECTモードへ切り替えて、RUNコマンドで実行します。十字キーでキャラクターを操作しています。
いつまでたってもボスキャラが出てこないので、うろうろした後フェードアウトする主人公タイです。BGMと一緒にどうぞ!