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エポック社のテレビブロックMBで遊ぶ

レトロゲーム機のRF出力をHDMIに変換する

2022-06-192022-06-19

レトロゲーム機(エポック社のテレビブロックMB)のRF出力をHDMIに変換する方法を紹介します。

注意

本記事は、レトロゲーム機(エポック社のテレビブロックMB)のRFをHDMIに変換する方法を紹介するものです。エポック社のテレビブロックMBは、製造からすでに40年以上経過しており、経年劣化による事故を招く恐れがあります。変化や異常を感じた場合は、すぐに使用を中止してください。

HDMIとテレビブロックMBのRF出力

HDMI(High-Definition Multimedia Interface)

HDMI(High-Definition Multimedia Interface)は、映像信号・音声信号・制御信号を1本のケーブルで送信できる通信規格で、2002年にバージョン1.0がリリースされました。その後、映像信号の大容量化に合わせて帯域幅拡張などのバージョンアップを繰り返し、今ではテレビ・パソコン・ゲーム機など多くの機器に搭載され、デジタル家電向けインターフェースのデファクトスタンダートとなっています。

エポック社のテレビブロックMB(EPOCH TV BLOCK MB)

エポック社のテレビブロックMB(EPOCH TV BLOCK MB)は、1979年に発売された家庭用テレビゲーム機で、4種類のピンボール・2種類のブロックくずし・1種類のバスケットゲームを内蔵しています。

図1-1.エポック社のテレビブロックMB(EPOCH TV BLOCK MB)
図1-1.エポック社のテレビブロックMB(EPOCH TV BLOCK MB)

本体左右のフリッパーボタンを押してフリッパーでボールを打ち返したり、ラケットコントローラーを左右に回してラケットを移動します。難易度は4段階で設定でき、持ち玉の数やラケットの大きさ、フリッパーの動作が変化します。図1-2は、フリッパーでボールを打ち返す「フリッパーピンボール - 1」です。

図1-2.フリッパーピンボール - 1
図1-2.フリッパーピンボール - 1

テレビブロックMBのRF出力

テレビブロックMBが発売された頃のテレビの多くには外部入力端子がなく、そのため、アンテナ入力端子からチューナーを通すことでテレビ放送のように表示させる「RF出力」を備えたものが一般的でした。RF出力は、スイッチによって1ch、または2chに切り替えることができました。テレビブロックMBの背面にRF出力(グレーのケーブル)が備わっています。

図1-3.テレビブロックMBのRF出力(グレーのケーブル)
図1-3.テレビブロックMBのRF出力(グレーのケーブル)

RF出力を備えたゲーム機などには、テレビとアンテナの間に取り付けて、テレビ放送の視聴とゲーム画面を切り替えるための「スイッチボックス(RFスイッチ)」が付属していました。スイッチボックス(RFスイッチ)に、ゲーム機のRF出力・テレビのアンテナ入力・アンテナ線を接続します。

図1-4.スイッチボックス(RFスイッチ)
図1-4.スイッチボックス(RFスイッチ)

テレビのアンテナ入力側は、300Ωフィーダー線と呼ばれる給電線で、接続は先端のY型端子をネジ止めしていました。

図1-5.300Ωフィーダー線
図1-5.300Ωフィーダー線

下図は、テレビブロックMBの取り扱い説明書から「テレビへの取り付け方法」と「チャンネル切り替え」を引用したものです。各家庭のテレビ事情により取り付け方法が異なり、当時は苦労があったようです。

テレビへの取り付け方法

テレビへの取り付け方法

チャンネル切り替え

チャンネル切り替え テレビブロックMBの取り扱い説明書

現在、販売されているテレビには、RF出力で接続するためのアンテナ入力端子やチューナー(いわゆるアナログ放送)は備わっていません。本記事では、テレビブロックMBのRF出力をHDMIに変換する方法を紹介します。

変換に使用するケーブル・機器

テレビブロックMBのRF出力をHDMIに変換するために使用するケーブル・機器です。

スイッチボックス(RFスイッチ)

テレビとアンテナの間に取り付けて、テレビ放送の視聴とゲーム画面を切り替えるための「スイッチボックス(RFスイッチ)」です。本記事では、テレビブロックMBの付属品が痛んでいたため、同等品を使用します。

図2-1.スイッチボックス(RFスイッチ)
図2-1.スイッチボックス(RFスイッチ)

HDMIケーブル

変換後の映像信号・音声信号をテレビに入力するためのHDMIケーブルです。

図2-2.HDMIケーブル
図2-2.HDMIケーブル

アンテナプラグ

300Ωフィーダー線をプッシュ式のF型コネクターに変換するアンテナプラグです。

図2-3.アンテナプラグ
図2-3.アンテナプラグ

変換アダプター

PALコネクターをF型コネクターに変換するアダプターです。

図2-4.変換アダプター
図2-4.変換アダプター

RF to HDMI変換器

RF出力をHDMIに変換する変換器です。付属のリモコンを使って、各種設定を行います。

図2-5.RF to HDMI変換器(前面)
図2-5.RF to HDMI変換器(前面)

背面に、入力用のANTENNE(PALコネクター)と出力用のHDMIを備えています。

図2-6.RF to HDMI変換器(背面)
図2-6.RF to HDMI変換器(背面)

RF to HDMI変換器

RF出力をHDMI信号に変換します。

ケーブル・機器の接続

テレビブロックMBのRF出力をHDMIに変換する接続図です。

図3-1.テレビブロックMBのRF出力をHDMIに変換する接続図
図3-1.テレビブロックMBのRF出力をHDMIに変換する接続図

本記事では1chを使用します。テレビブロックMBの裏面にある切り替えスイッチを「1ch」側にします。奥まったところに切り替えスイッチがあるので、マイナスドライバーなどを使って動かします。

図3-2.チャンネルの切り替え
図3-2.チャンネルの切り替え

スイッチボックス(RFスイッチ)のテレビ端子(300Ωフィーダー線)の先にアンテナプラグを取り付けます。取り付けにはプラス(またはマイナス)ドライバーを使います。

図3-3.アンテナプラグの取り付け
図3-3.アンテナプラグの取り付け

テレビブロックMBのRF出力(グレーのケーブル)を、スイッチボックス(RFスイッチ)のゲーム端子に接続します。

図3-4.テレビブロックMBのRF出力とゲーム端子の接続
図3-4.テレビブロックMBのRF出力とゲーム端子の接続

変換器のANTENNE(PALコネクター)に変換アダプターを差し込みます。

図3-5.ANTENNE(PALコネクター)のF型コネクター化
図3-5.ANTENNE(PALコネクター)のF型コネクター化

変換アダプターにアンテナプラグを差し込みます。

図3-6.変換アダプターとアンテナプラグの接続
図3-6.変換アダプターとアンテナプラグの接続

変換器のHDMIにHDMIケーブルを接続します。

図3-7.HDMIケーブルの接続
図3-7.HDMIケーブルの接続

HDMIケーブルの他方を、テレビのHDMI入力に接続します。以上で、ケーブル類の接続は完了です。

図3-8.テレビHDMI入力の接続
図3-8.テレビHDMI入力の接続

変換器の設定

変換器に付属しているリモコンを使って、変換器の各種設定を行います。主に使用するのは、MENUボタンと上下左右(P+・P-・V-・V+)ボタンです。

言語の設定(中文→English)

初期状態では、メニューが中国語(中文)で表示されるので英語に変更します。もちろん中国語のままでもかまいません。

MENU・右・右・右・下の順に押して「系統設定」>「OSD設定」に合わせます。

図4-2.言語の設定(1)
図4-2.言語の設定(1)

右を押して「語言」に合わせます。

図4-3.言語の設定(2)
図4-3.言語の設定(2)

右を押して「中文」から「English」に変更します。MENUを2回押して終了します。

図4-4.言語の設定(3)
図4-4.言語の設定(3)

映像信号の設定(PAL→NTSC)

映像信号の規格をPALからNTSCへ変更します。MENU・右・右・右・下・下の順に押して「Sys Settings」>「Display Mode」に合わせます。

図4-5.映像信号の設定(1)
図4-5.映像信号の設定(1)

右・下の順に押して「Color System」に合わせます。

図4-6.映像信号の設定(2)
図4-6.映像信号の設定(2)

右を押して「Pal」から「Ntsc」へ変更します。MENUを2回押して終了します。

図4-7.映像信号の設定(3)
図4-7.映像信号の設定(3)

音声の設定(BG→M)

音声を「BG」から「M」へ変更します。MENU・右・下・下・下・下・下・下の順に押して「TV Menu」>「Sound Sys」に合わせます。

図4-8.音声の設定(1)
図4-8.音声の設定(1)

右・右の順に押して「BG」から「M」に合わせます。MENUを2回押して終了します。

図4-9.音声の設定(2)
図4-9.音声の設定(2)

チューニング

テレビブロックMBの1chにチューニングします。テレビブロックMBのパワースイッチをONにしておきます。

MENU・右・下・下の順に押して「TV Menu」>「Manual Scan」に合わせます。

図4-10.チューニング(1)
図4-10.チューニング(1)

右・下・下の順に押して「Search」に合わせます。もう一度、右を押すとチューニングが始まり、画面下のFrequencyが増加していきます。

図4-11.チューニング(2)
図4-11.チューニング(2)

1chの周波数は91.25MHzなので、Frequencyがその周辺になると画面が表示されて停止します。91.25MHzを過ぎても表示されない場合は、テレビブロックMBのパワーがONになっていないか、ケーブル類の接続が間違っていないか見直しましょう。

図4-12.チューニング(3)
図4-12.チューニング(3)

下を押して「Fine」に合わせると、左右のボタンで微調整(0.1MHz単位)ができます。一番きれいに表示されるところを探しましょう。

図4-13.チューニング(4)
図4-13.チューニング(4)

MENUを2回押して終了します。

図4-14.チューニング(5)
図4-14.チューニング(5)

以上で、変換器の設定が完了しました。さぁ、懐かしのテレビブロックMBを思いっきりプレイしましょう!

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