【ORANGE-4】組み立てと各部の紹介
機械語(マシン語)を学習することができる4ビットマイコンボード「ORANGE-4」を紹介します。
ORANGE-4の組み立て
ピコソフトの「ORANGE-4」は、機械語(マシン語)を学習することができる4ビットマイコンボードです。外付けのキーボードやディスプレイは不要で、USBコネクターに電源を接続すれば、本体のみで動作します。4ビットマイコンは、命令やメモリ領域の構造がとてもシンプルなので、はじめて機械語を学習するのに最適なボードです。
ORANGE-4は、2009年6月に発売された「大人の科学 Vol.24(学研)」の付録「4ビットマイコン GMC-4」と機械語レベルで互換性があります。このGMC-4は、1981年に発売された「電子ブロック FX-マイコン(学研)」の動作を再現したもので、同ウェブページに当時のプログラム集が公開されています。
ORANGE-4を組み立てる
ORANGE-4は、組み立てキットとして販売されています。部品点数は約100個、およそ200ヶ所のハンダ付けが必要です。あらかじめ、ハンダ・ハンダごて・こて台・こて先クリーナー・ニッパーなどの道具を準備しておきましょう。
基板とハンダ面を保護するプレート(底板)、タクトスイッチ(キーボード)のラベルです。
付属の部品表に従って、順番にハンダ付けします。極性や向きがある部品のハンダ付けには注意しましょう。基板上にすべての部品を付け終えたら、いったん動作確認します。
スライドスイッチ(SW2)を奥側(オフの状態)へスライドします。USBケーブルを使って、USBコネクターにモバイルバッテリーなどの電源を接続します。
スライドスイッチ(SW2)を手前側(オンの状態)へスライドします。正しく動作すると、7セグメントLEDに「F」と表示されます。正しく動作しない場合は、すぐにスライドスイッチをオフにして、USBケーブルを抜き、ハンダ不良や部品の極性・向きが間違っていないか確認します。
動作確認できたら、スペーサーとプラネジを使って、ハンダ面の保護プレート(底板)を取り付けます。以上で、ORANGE-4の組み立ては完了です。
サンプルプログラムの動作
ORANGE-4には、あらかじめサンプルプログラムが書き込まれています。スイッチをオンにした後、「RST」「C」「RUN」「6」「A」「RUN」の順に押します。圧電スピーカーから「しょうじょうじのたぬきばやし」が聞こえてきます。「RST」で停止します。
ORANGE-4の各部の紹介
プロセッサー・メモリー
マイクロチップ社のPICマイコン(PIC32MXシリーズ)である「PIC32MX120F032B」を使用しています。
LED(赤)・7セグメントLED・圧電スピーカー・ハードウェアリセットスイッチ
7個のLED(赤色)で構成される「2進LED」と7セグメントLEDの「数字LED」です。2進LEDは、7桁の2進数を表し、アドレス(番地)やレジスターの値を表示します。数字LEDは、アドレスに対応したデーターやレジスターの値を0~9、A~Fの16進数で表示します。圧電スピーカーは、指定した音階の音を鳴らすことができます。
ハードウェアリセットスイッチ(オレンジ色のタクトスイッチ)は、メモリー中のデーターをすべて「F」でクリアーします。電源の入れ直しに相当します。
USBコネクター・スライドスイッチ
USBケーブルを使って、USBコネクターにモバイルバッテリーやUSBアダプターなどの電源を接続します。スライドスイッチは電源スイッチです。手前側がオン、奥側がオフです。
I/O端子・ICSP(In Circuit Serial Programming)端子
8ピンのヘッダーピンがI/O端子、6ピンのヘッダーピンがICSP(In Circuit Serial Programming)端子です。I/O端子のピンアサインは、1番から3.3V・RXD・TXD・GND・5V・PORT1・PORT2・PORT3となっています。USBシリアルケーブルでパソコンと接続することにより、プログラムの転送やデバッグ(モニター)することができます。
ICSP(In Circuit Serial Programming)端子は、PICマイコンを基板に実装したまま、内容を書き換えることができるもので、ORANGE-4では、ファームウェアの更新時に使用します。ファームウェアの更新手順は「【ORANGE-4】ファームウェアの更新」で詳しく紹介しています。