【Z80】Z80マイクロコンピューター「YS-6464A」

Z80を使ってコンピューターの仕組みや機械語によるプログラミング、周辺装置の制御を学習するためのZ80マイクロコンピューター「YS-6464A」を紹介します。
1.Z80マイクロコンピューター「YS-6464A」
Z80マイクロコンピューター「YS-6464A」
Z80マイクロコンピューター「YS-6464A」は、Z80を使ってコンピューターの仕組みや機械語によるプログラミング、周辺装置の制御に必要なノウハウを学習するためのZ80シングルボードマイクロコンピューターです。当時は、組み立てキットとして販売されていました。
基板のサイズは200mm×110mmで、左側にZ80 CPU・ROM・RAM・8255 PPI(Programmable Peripheral Interface)などの各種IC、右側にキースイッチ(0~F、およびファンクション)・アドレスとデーターを表示する7セグメントLEDを実装しています。また、8255 PPIを通して制御可能な圧電サウンダー(圧電スピーカー)と周辺機器を接続可能なコネクターが2ヶ所あります。電源は、5Vの安定化電源(または乾電池でも可)を使用します。なお、写真のYS-6464Aは、圧電サウンダー(圧電スピーカー)とキースイッチのトップを新しいものに換装しています。
1999年に発行された「たのしくできるセンサ回路と制御実験」の中で、このYS-6464Aと8255 I/Oボードを使った制御実験が紹介されています。
以下に、Z80マイクロコンピューター「YS-6464A」の各部を紹介します。
2.各種IC
基板の左側に、Z80 CPU・ROM・RAM・8255 PPI(Programmable Peripheral Interface)などの各種ICを実装しています。
Z80 CPU
Z80 CPUとして「SHARP LH0080A Z80A-CPU-D」を採用しています。最大動作クロックは4MHz(Z80A相当)です。Z80については「【Z80】Z80とZ80シングルボードマイコン」で詳しく紹介しています。
ROM
2764という型番のUV-EPROM(紫外線消去型EPROM)を実装しています。容量は64Kbit(8KB)です。あらかじめ、モニタープログラム・ユーティリティープログラム・デモプログラムを格納しています。ROMのアドレス空間は0000H~7FFFHですが、有効な範囲は0000H~1FFFH(8KB)となります。2000H以降はイメージが出現します。メモリーについては「【Z80】YS-6464Aのメモリー空間とアクセス」で詳しく紹介しています。
RAM
5565(6264相当)という型番のRAMを実装しています。容量は64Kbit(8KB)です。RAMのアドレス空間は8000H~FFFFHですが、有効な範囲は8000H~9FFFH(8KB)です。ROMと同様に、A000H以降はイメージが出現します。メモリーについては「【Z80】YS-6464Aのメモリー空間とアクセス」で詳しく紹介しています。
8255 PPI
24本のパラレル入出力ピンを持つ8255 PPI(Programmable Peripheral Interface)を実装しています。キースイッチ・7セグメントLED・圧電サウンダー(圧電スピーカー)が接続されています。
3.7セグメントLED
メモリーにデーターを書き込んだり、メモリーからデーターを読み出すとき、わかりやすくするために、アドレスとデーターを表示するための7セグメントLEDを実装しています。
ADDRESS
アクセスしたアドレス(0000H~FFFFH)を表示する4桁の7セグメントLEDです。
DATA
アクセスしたアドレスに格納されているデーター(00~FF)を表示する2桁の7セグメントLEDです。
4.キースイッチ
アドレスやデーターを入力するキースイッチ(0~F)と、動作を指示するファンクションキースイッチ(RESET・ADR/RUN・READ INC・READ DEC・WRITE INC)です。
KEY SWITCH(0~F)
アドレスやデーターを入力するキースイッチです。
KEY SWITCH(RESET)
Z80 CPUの[mathjax]~\rm\overline{\boldsymbol{RESET}}~[/mathjax]、および8255 PPIの[mathjax]~\rm{\boldsymbol{RESET}}~[/mathjax]をアクティブにすることで、両者を初期化します。メモリー(RAM)の内容は初期化されません。
KEY SWITCH(ADR/RUN)
このキースイッチには2つの役割が割り当てられています。アドレス(0000H~FFFFH)を入力して、このキースイッチを押すことで、当該アドレスにアクセスして、格納されているデーターを表示します。続けて、もう一度このキースイッチを押すと、当該アドレスから実行します。
KEY SWITCH(READ INC)
表示しているアドレスから一つ進めて、格納されているデーターを表示します。
KEY SWITCH(READ DEC)
表示しているアドレスから一つ戻って、格納されているデーターを表示します。
KEY SWITCH(WRITE INC)
入力したデーター(00~FF)をメモリーに格納して、アドレスを一つ進めます。
5.圧電サウンダー(圧電スピーカー)
6.コネクター
周辺機器を接続するためのコネクターです。基板の上部と下部の2ヶ所にあり、それぞれ役割が異なります。
CONNECTOR(上部)
上部のコネクターは、セントロニクス出力です。LS138(9)が[mathjax]~\rm\overline{\boldsymbol{STRB}}~[/mathjax]、HC04(4)が[mathjax]~\rm{\boldsymbol{STRB}}~[/mathjax]、PA3が[mathjax]~\rm{\boldsymbol{BUSY}}~[/mathjax]となります。デモプログラムのアドレスは02F0Hです。
CONNECTOR(下部)
下部のコネクターは、外部の8255 PPI・8251 USART・8253 PIT/CTCのいずれか一つを接続できます。