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コンピューターの仕組みや機械語によるプログラミング、周辺装置の制御を学習する

【Z80】Z80マイクロコンピューター「YS-6464A」

2025-04-182025-04-18

Z80を使ってコンピューターの仕組みや機械語によるプログラミング、周辺装置の制御を学習するためのZ80マイクロコンピューター「YS-6464A」を紹介します。

1.Z80マイクロコンピューター「YS-6464A」

Z80マイクロコンピューター「YS-6464A」

Z80マイクロコンピューター「YS-6464A」は、Z80を使ってコンピューターの仕組みや機械語によるプログラミング、周辺装置の制御に必要なノウハウを学習するためのZ80シングルボードマイクロコンピューターです。当時は、組み立てキットとして販売されていました。

図1-1.Z80マイクロコンピューター「YS-6464A」【Z80 CPU・ROM・RAM・8255 PPI】
図1-1.Z80マイクロコンピューター「YS-6464A」【Z80 CPU・ROM・RAM・8255 PPI】

基板のサイズは200mm×110mmで、左側にZ80 CPU・ROM・RAM・8255 PPI(Programmable Peripheral Interface)などの各種IC、右側にキースイッチ(0~F、およびファンクション)・アドレスとデーターを表示する7セグメントLEDを実装しています。また、8255 PPIを通して制御可能な圧電サウンダー(圧電スピーカー)と周辺機器を接続可能なコネクターが2ヶ所あります。電源は、5Vの安定化電源(または乾電池でも可)を使用します。なお、写真のYS-6464Aは、圧電サウンダー(圧電スピーカー)とキースイッチのトップを新しいものに換装しています。

図1-2.Z80マイクロコンピューター「YS-6464A」【キースイッチ・7セグメントLED】
図1-2.Z80マイクロコンピューター「YS-6464A」【キースイッチ・7セグメントLED】

1999年に発行された「たのしくできるセンサ回路と制御実験」の中で、このYS-6464Aと8255 I/Oボードを使った制御実験が紹介されています。

たのしくできるセンサ回路と制御実験

出版社
東京電機大学出版局
著者
鈴木 美朗志
発売日
1999/1/20

以下に、Z80マイクロコンピューター「YS-6464A」の各部を紹介します。

2.各種IC

基板の左側に、Z80 CPU・ROM・RAM・8255 PPI(Programmable Peripheral Interface)などの各種ICを実装しています。

図2-1.Z80マイクロコンピューター「YS-6464A」【各種IC】
図2-1.Z80マイクロコンピューター「YS-6464A」【各種IC】

Z80 CPU

Z80 CPUとして「SHARP LH0080A Z80A-CPU-D」を採用しています。最大動作クロックは4MHz(Z80A相当)です。Z80については「【Z80】Z80とZ80シングルボードマイコン」で詳しく紹介しています。

ROM

2764という型番のUV-EPROM(紫外線消去型EPROM)を実装しています。容量は64Kbit(8KB)です。あらかじめ、モニタープログラム・ユーティリティープログラム・デモプログラムを格納しています。ROMのアドレス空間は0000H~7FFFHですが、有効な範囲は0000H~1FFFH(8KB)となります。2000H以降はイメージが出現します。メモリーについては「【Z80】YS-6464Aのメモリー空間とアクセス」で詳しく紹介しています。

RAM

5565(6264相当)という型番のRAMを実装しています。容量は64Kbit(8KB)です。RAMのアドレス空間は8000H~FFFFHですが、有効な範囲は8000H~9FFFH(8KB)です。ROMと同様に、A000H以降はイメージが出現します。メモリーについては「【Z80】YS-6464Aのメモリー空間とアクセス」で詳しく紹介しています。

8255 PPI

24本のパラレル入出力ピンを持つ8255 PPI(Programmable Peripheral Interface)を実装しています。キースイッチ・7セグメントLED・圧電サウンダー(圧電スピーカー)が接続されています。

3.7セグメントLED

メモリーにデーターを書き込んだり、メモリーからデーターを読み出すとき、わかりやすくするために、アドレスとデーターを表示するための7セグメントLEDを実装しています。

図2-2.Z80マイクロコンピューター「YS-6464A」【7セグメントLED】
図2-2.Z80マイクロコンピューター「YS-6464A」【7セグメントLED】

ADDRESS

アクセスしたアドレス(0000H~FFFFH)を表示する4桁の7セグメントLEDです。

DATA

アクセスしたアドレスに格納されているデーター(00~FF)を表示する2桁の7セグメントLEDです。

4.キースイッチ

アドレスやデーターを入力するキースイッチ(0~F)と、動作を指示するファンクションキースイッチ(RESET・ADR/RUN・READ INC・READ DEC・WRITE INC)です。

図2-3.Z80マイクロコンピューター「YS-6464A」【キースイッチ】
図2-3.Z80マイクロコンピューター「YS-6464A」【キースイッチ】

KEY SWITCH(0~F)

アドレスやデーターを入力するキースイッチです。

KEY SWITCH(RESET)

Z80 CPUの[mathjax]~\rm\overline{\boldsymbol{RESET}}~[/mathjax]、および8255 PPIの[mathjax]~\rm{\boldsymbol{RESET}}~[/mathjax]をアクティブにすることで、両者を初期化します。メモリー(RAM)の内容は初期化されません。

KEY SWITCH(ADR/RUN)

このキースイッチには2つの役割が割り当てられています。アドレス(0000H~FFFFH)を入力して、このキースイッチを押すことで、当該アドレスにアクセスして、格納されているデーターを表示します。続けて、もう一度このキースイッチを押すと、当該アドレスから実行します。

KEY SWITCH(READ INC)

表示しているアドレスから一つ進めて、格納されているデーターを表示します。

KEY SWITCH(READ DEC)

表示しているアドレスから一つ戻って、格納されているデーターを表示します。

KEY SWITCH(WRITE INC)

入力したデーター(00~FF)をメモリーに格納して、アドレスを一つ進めます。

5.圧電サウンダー(圧電スピーカー)

圧電サウンダー(圧電スピーカー)です。

図2-4.Z80マイクロコンピューター「YS-6464A」【圧電サウンダー(圧電スピーカー)】
図2-4.Z80マイクロコンピューター「YS-6464A」【圧電サウンダー(圧電スピーカー)】

PIEZOELECTRIC SOUNDEER

制御可能な圧電サウンダー(圧電スピーカー)です。8255 PPIのポートAの0ビット目(PA0)に接続されています。

6.コネクター

周辺機器を接続するためのコネクターです。基板の上部と下部の2ヶ所にあり、それぞれ役割が異なります。

図2-5.Z80マイクロコンピューター「YS-6464A」【コネクター】
図2-5.Z80マイクロコンピューター「YS-6464A」【コネクター】

CONNECTOR(上部)

上部のコネクターは、セントロニクス出力です。LS138(9)が[mathjax]~\rm\overline{\boldsymbol{STRB}}~[/mathjax]、HC04(4)が[mathjax]~\rm{\boldsymbol{STRB}}~[/mathjax]、PA3が[mathjax]~\rm{\boldsymbol{BUSY}}~[/mathjax]となります。デモプログラムのアドレスは02F0Hです。

図2-6.CONNECTOR(上部)の仕様
図2-6.CONNECTOR(上部)の仕様

CONNECTOR(下部)

下部のコネクターは、外部の8255 PPI・8251 USART・8253 PIT/CTCのいずれか一つを接続できます。

図2-7.CONNECTOR(下部)の仕様
図2-7.CONNECTOR(下部)の仕様

7.電源

電源を接続するためのコネクターです。

図2-8.Z80マイクロコンピューター「YS-6464A」【電源】
図2-8.Z80マイクロコンピューター「YS-6464A」(電源)

POWER

電源として、5Vの安定化電源(または乾電池でも可)を接続します。

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