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6桁の7セグメントLEDと21個のキースイッチ

【Z80】YS-6464Aのキー操作

2025-04-302025-04-30

YS-6464Aには、表示部となる7セグメントLED(6桁)、および入力部となるキースイッチ(21個)があります。本記事では、キー操作について解説します。

1.YS-6464Aの表示部と入力部

YS-6464Aの入力部と表示部

基板の右側に、表示部となる7セグメントLED(6桁)、および入力部となるキースイッチ(21個)があります。

図1-1.YS-6464Aの入力部と表示部
図1-1.YS-6464Aの入力部と表示部

表示部(7セグメントLED)

メモリーにデーターを書き込んだり、メモリーからデーターを読み出すとき、わかりやすくするために、アドレスとデーターを表示するための7セグメントLEDです。左側の4桁にアドレス、右側の2桁にデーターが表示されます。図1-2は、アドレス8000Hに格納されたデーター3EHを表示した例です。

図1-2.表示部(7セグメントLED)
図1-2.表示部(7セグメントLED)

入力部(キースイッチ:0~F)

アドレスやデーターを入力するキースイッチです。

図1-3.入力部(キースイッチ:0~F)
図1-3.入力部(キースイッチ:0~F)

入力部(キースイッチ:RESET)

Z80 CPUの[mathjax]~\rm\overline{\boldsymbol{RESET}}~[/mathjax]、および8255 PPIの[mathjax]~\rm{\boldsymbol{RESET}}~[/mathjax]をアクティブにすることで、両者を初期化します。メモリー(RAM)の内容は変化しません。

図1-4.入力部(キースイッチ:RESET)
図1-4.入力部(キースイッチ:RESET)

図1-5は、実際の回路図(リセットに関する部分の抜粋)です。RC回路でキースイッチのチャタリングを除去した後、2つのNOTゲートと抵抗(220K)で構成されるシュミット・トリガー回路でなだらかになった波形を元に戻すとともに、耐ノイズ性を向上させています。最終段のNOTゲートは信号の反転用です。

図1-5.YS-6464Aの回路図(リセットに関する部分の抜粋)
図1-5.YS-6464Aの回路図(リセットに関する部分の抜粋)

Z80 CPUでは、[mathjax]~\rm\overline{\boldsymbol{RESET}}~[/mathjax]がアクティブ(Lレベル)になると、プログラムカウンターが0000H、アドレスバスやデーターバスがハイインピーダンス、コントロールバスのうち出力向きの信号が非アクティブ(Hレベル)になるなどの初期化が行われます。

その後、キースイッチが離れ、[mathjax]~\rm\overline{\boldsymbol{RESET}}~[/mathjax]が非アクティブ(Hレベル)になると、プログラムカウンターの値である0000Hからオペコードが読み込まれます。YS-6464Aでは、ROM領域(0000H~)のモニタープログラムが実行されます。

8255 PPIでは、[mathjax]~\rm{\boldsymbol{RESET}}~[/mathjax]がアクティブ(Hレベル)になると、内部レジスターが初期化され、すべてのポートが入力モードとなります。

入力部(キースイッチ:ADR/RUN)

このキースイッチには、2つの役割が割り当てられています。アドレス(0000H~FFFFH)を入力して、このキースイッチを押すことで、そのアドレスにアクセスして、格納されているデーターを表示します。続けて、もう一度このキースイッチを押すと、そのアドレスから実行します。

図1-6.入力部(キースイッチ:ADR/RUN)
図1-6.入力部(キースイッチ:ADR/RUN)

入力部(キースイッチ:READ INC)

表示しているアドレスから一つ進めて、格納されているデーターを表示します。

図1-7.入力部(キースイッチ:READ INC)
図1-7.入力部(キースイッチ:READ INC)

入力部(キースイッチ:READ DEC)

表示しているアドレスから一つ戻って、格納されているデーターを表示します。

図1-8.入力部(キースイッチ:READ DEC)
図1-8.入力部(キースイッチ:READ DEC)

入力部(キースイッチ:WRITE INC)

入力したデーター(00~FF)をメモリーに格納して、アドレスを一つ進めます。

図1-9.入力部(キースイッチ:WRITE INC)
図1-9.入力部(キースイッチ:WRITE INC)

2.YS-6464Aのキー操作

リセット

Z80 CPU、および8255を初期化するには[RESET]を押します。メモリーの内容は変化しません。Z80 CPUの初期化に伴い、プログラムカウンターが0000Hとなります。[RESET]を離すと、ROM領域(0000H~)に格納されたモニタープログラムが実行され、キー入力待ちとなります。実行中のプログラムを停止したり、プログラムの実行前など、次の操作に移る前に押します。

図2-1.リセット
図2-1.リセット

アドレスの指定

格納されたデーターを確認したり、RAM領域にデーターを書き込むには、まずアドレスの指定が必要です。アドレスを指定するには、4桁のアドレスを入力して[ADR/RUN]を押します。図2-2は、アドレス8000Hを指定した例です。データーの表示(FFH)は状況により異なります。

図2-2.アドレスの指定
図2-2.アドレスの指定

データーの書き込み

RAM領域(8000H~)にデーターを書き込むには、アドレスを指定した後、2桁のデーターを入力して[WRITE INC]を押します。図2-3は、アドレス8000Hにデーター3EHを書き込んだ例です。[WRITE INC]を押すと、アドレスが一つ増えるので、連続してデーターを書き込むことができます。なお、データーの入力時に、アドレスの表示部も変化しますが無視できます。

図2-3.データーの書き込み
図2-3.データーの書き込み

連続したデーターの確認(降順・昇順)

連続したデーターを確認するには[READ DEC]、または[READ INC]を押します。図2-4は[READ DEC]を押した例です。アドレスが一つ減って、その内容が表示されます。

図2-4.連続したデーターの確認(降順)
図2-4.連続したデーターの確認(降順)

図2-5は[READ INC]を押した例です。アドレスが一つ増えて、その内容が表示されます。

図2-5.連続したデーターの確認(昇順)
図2-5.連続したデーターの確認(昇順)

プログラムの実行

プログラムを実行するには、プログラムの先頭アドレスを入力して[ADR/RUN]を2回押します。図2-6は、リセットした後、アドレス0890Hに格納されたプログラムを実行する例です。アドレス0890Hには、デモプログラム(MZ-2000アプリケーションの曲)が格納されています。

図2-6.プログラムの実行
図2-6.プログラムの実行

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