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micro:bit Lab.【マイクロビット】

micro:bit Lab.では、micro:bit【マイクロビット】に関する情報を紹介しています。

アカデミックシリーズの中核、通称「赤ボード」
8-7

TFabWorks メインボード(S-M1)

2020-07-142020-07-14

一枚の拡張ボードでより多くの単元において活用できることを目指して開発されたTFabWorks(ティーファブワークス)の「メインボード(S-M1)」を紹介します。同社のアカデミックシリーズの中核となる製品で、通称「赤ボード」と呼ばれています。

8-7-1.TFabWorks メインボード(S-M1)

サヌキテックネットでは、小学校のプログラミング教育に活用できるコンピューターとして、すでに授業で使用している教材(例えば、豆電球やプロペラ付きのモーターなど)と組み合わせて使えるmicro:bitの魅力をお伝えしてきました。

8-6.教材とmicro:bitでできること」では、教材とmicro:bitを組み合わせるのに欠かせないものとして「プログラム制御スイッチ」という拡張ボードを紹介しました。拡張ボードは、豆電球を点灯させるためのスイッチとしての役割や、人の動きに反応するセンサーなど、その選び方によって搭載するセンサーや機能が大きく異なります。その結果、どのような種類の拡張ボードがあり、どの授業(単元)で使えるのかわかりづらいと言う声が現場から聞こえていました。

TFabWorks メインボード(S-M1)

そんな悩みを解決し、一枚の拡張ボードでより多くの単元において活用できることを目指して開発されたのが、TFabWorks(ティーファブワークス)のメインボード(S-M1)です。同社の製品の中でも、教育現場をターゲットとした「アカデミックシリーズ」の中核となる製品で、目をひく赤い基板であることから、通称「赤ボード」と呼ばれています。

図8-7-1-1.TFabWorks メインボード(S-M1)
図8-7-1-1.TFabWorks メインボード(S-M1)

小学校・中学校・高校におけるさまざまな教科(単元)で活用できるように、多くのセンサーと機能を搭載しています。以下は、TFabWorksによる活用可能な単元の例です。

  • 小3:理科「電気の通り道」「磁石の性質」、社会「消防署の仕事」「市の様子」「警察の仕事」
  • 小4:理科「月や星」「物のあたたまり方」「物と体積と温度」
  • 小5:理科「振り子の運動」「天気の変化と台風」「植物の発芽と成長」、算数「速さ」「拡大図と縮小図」、家庭科「すまい方」
  • 小6:理科「電気の利用」「自然災害」「生物と環境」「ものの燃え方」
  • 小全学年:総合的な学習の時間、体育、音楽、図工
  • 中1:理科「音・光の性質」「物質の状態変化」「生物」「地震」
  • 中2:理科「電流」「気象」、技術家庭「生物育成」「住生活」
  • 中3:理科「運動とエネルギー」「水溶液とイオン」、技術家庭「情報に関する技術」
  • 中全学年:体育、音楽
  • 高校:情報、物理「重力」、数学「三角関数」
【新製品】アカデミックシリーズ - メインボード(S-M1)

多くのセンサーと機能

micro:bitとメインボード(S-M1)を組み合わせるだけで、さまざまな単元において活用できるように、多くのセンサーと機能を搭載しています。

図8-7-1-2.TFabWorks メインボード(S-M1)とmicro:bit
図8-7-1-2.TFabWorks メインボード(S-M1)とmicro:bit

センサーで測定できる値には、温度・湿度・気圧・動き(ゆさぶり・落下・衝撃)・傾き・人の動き(人感)・磁力・方位・明るさ・電流の大きさなどがあります。温度・湿度・気圧は、専用の環境センサーを備え、誤差の少ない値が測定できます。

機能には、スピーカーや3個のフルカラーLED、赤外線リモコンなどがあります。また、プログラミングによって、既存の教材である豆電球やモーターの回路をオン・オフしたり、回転速度や明るさを調節できる制御スイッチを搭載しています。

図8-7-1-3は、人感センサーと制御スイッチを使って「トイレの照明」の動作を再現するものです。人の動きに合わせて、制御スイッチにつないだ豆電球の回路をオン・オフするようにプログラミングしています。人の動きを検知して、豆電球を点灯しているようすです。

図8-7-1-3.メインボード(S-M1)で「トイレの照明」の動作を再現
図8-7-1-3.メインボード(S-M1)で「トイレの照明」の動作を再現

さらに、TFabWorksのバネプラグ製品が取り付けられる入出力端子や、I2Cに対応した外部センサーなどが接続できる端子を備えており、拡張性も十分です。

プログラミングのための専用ブロック

メインボード(S-M1)に搭載されたセンサーや機能をプログラムから利用するために、専用ブロックが用意されています。この専用ブロックは、日本語で「人が動いた」や「LED1を赤にする」などと書かれているため、わかりやすく、直感的に使うことができます。

図8-7-1-4.TFabWorks メインボード(S-M1)の専用ブロック
図8-7-1-4.TFabWorks メインボード(S-M1)の専用ブロック

図8-7-1-5は「トイレの照明」の動作を再現するプログラムです。「もし人が動いたなら、制御スイッチをON、でなければ、制御スイッチをOFF」という日本語で理解しやすいプログラムを作ることができます。

図8-7-1-5.人が動くと豆電球が点灯するプログラム
図8-7-1-5.人が動くと豆電球が点灯するプログラム

乾電池1本で動作

単四形乾電池1本(エネループにも対応)の電池ボックスを搭載しているので、プログラミングしたメインボード(S-M1)を教室の外へ持ち出して、動作させることができます。

この「乾電池1本」は、子どもたちの感動体験をサポートしたいというTFabWorksの想いにより実現した機能です。例えば、場所によって異なる温度や湿度、明るさの測定を実体験することで、より深い学びへつながるかもしれません。

展示も楽々

本体の上部中央には、フック穴があります。黒板に、フック付きのマグネットを取り付け、引っかけることができます。また、四隅には、LEGO穴があります。差し込めるLEGOパーツが付属しているので、他のLEGO製品と接続することができます。図8-7-1-6は、他のパーツと組み合わせて、斜めに立てられるようにしたものです。工夫次第でいろいろ楽しめますね。

図8-7-1-6.他のLEGOパーツを使って斜めに立てた例
図8-7-1-6.他のLEGOパーツを使って斜めに立てた例

システムチャート

メインボードには、多くのセンサーと機能が搭載されているので、全体を把握するのは難しいかもしれません。そんな時に役立つのが、システムチャートです。

図8-7-1-7は、micro:bitとメインボード(S-M1)を組み合わせたときに使えるセンサーや機能を図で示したものです。センサーなどの入力をオレンジ色、LED画面やスピーカーなどの出力を青色、無線通信などの入出力(双方向)を緑色で示しています。このような図を使うと、プログラムとセンサーや機能(入力・出力・入出力)の関係性がよく理解できます。

図8-7-1-7.システムチャート
図8-7-1-7.システムチャート

図8-7-1-8は、「トイレの照明」の動作を再現するプログラムを表したものです。プログラムを中心として、人感センサー(入力)により人の動きを検知して、スイッチ(出力)を制御していることが理解できます。

図8-7-1-8.システムチャート「トイレの照明」
図8-7-1-8.システムチャート「トイレの照明」

以下に、micro:bitと組み合わせたメインボード(S-M1)と豆電球の回路を接続した構成図と、人が動いたときに豆電球を点灯するプログラムを掲載します。

図8-7-1-9.構成図「トイレの照明」
図8-7-1-9.構成図「トイレの照明」
図8-7-1-10.プログラム「トイレの照明」
図8-7-1-10.プログラム「トイレの照明」

さらに詳しく...

TFabWorksのアカデミックシリーズの中核となるメインボード(S-M1)のさらに詳しい情報は「【新製品】アカデミックシリーズ - メインボード(S-M1)」をご覧下さい。学校関係者向けの無料レンタルサービスもあるので、気になる方はぜひご利用ください。

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