iMac DV+の内蔵ハードディスクをSSDに換装する
iMac DV+の内蔵ハードディスクをSSDに換装する方法を紹介します。
iMac DV+
iMac DV+は、2000年に発売された15インチCRT(ブラウン管)ディスプレイ一体型のMacです。450MHzのPowerPC G3(PowerPC 750)と、当時としては大容量となる20GBのハードディスクを搭載していました。フロントには、スロットローディング方式のDVD-ROMドライブと、両側にハーマン・カードンのステレオスピーカーを装備しています。
本記事では、このiMac DV+の内蔵ハードディスクを新しいものに換装します。この内蔵ハードディスクのインターフェースはIDE(Ultra ATA)という規格で、すでに新品のハードディスクは入手が困難となっています。
そこで、今回はシステムトークスの「スゴイアダプタ(SATA-TR2535)」という変換アダプターを使用します。この変換アダプターは、2.5型SATAハードディスク(またはSSD)を3.5型IDE(PATA)に変換することができます。つまり、20年経過しているiMac DV+にSSDが付けられるんです。
ハードディスクをSSDに換装する
iMac DV+のハードディスクをSSDに換装するにあたって、使用するのがシステムトークスのスゴイアダプタ(SATA-TR2535)と、キングストンテクノロジーのQ500シリーズ(120GB)です。スゴイアダプタの解説とSSDの取り付け手順は「スゴイアダプタ(2.5型SATAを3.5型IDEに変換)」をご覧ください。
ハードディスクからSSDへの換装
換装作業は、iMac DV+を逆さまにひっくり返して行います。傷が付かないように柔らかい布などの上で作業しましょう。また、iMac DV+は、かなり重いので、ひっくり返すときは落とさないように注意してください。
底面後方にある外部ディスプレイ出力ポートのカバーを、マイナスドライバーなどを差し込んで外します。
底面カバーを固定しているネジのうち、後方の2本を外します。
前方の2本を外します。底面カバーを後ろから持ち上げるようにして外します。経年劣化により、底面カバーのツメを引っかける本体側が破損することがあります。高確率で壊れますが、見えないところですし、底面カバーはネジで固定されるのであまり影響はありません。
金属のシールドを固定しているネジ6本をすべて外します。シールドを前から持ち上げるようにして外します。
ブラケットに収まっているのがハードディスクとDVD-ROMドライブです。
ケーブル類を抜きます。ブラケットを固定しているネジ4本を外します。後ろから持ち上げるようにして引き抜きます。スピーカーのケーブルに引っかからないように気をつけましょう。
ハードディスク(写真上)とDVD-ROMドライブ(写真下)です。ハードディスクを固定しているネジ4本(写真上面)を外して、ハードディスクを抜き取ります。この時、ハードディスクを保護しているゴムカバーとブラケットが固着していることがあります。剥がしながら抜き取りましょう。
SSDを取り付けたスゴイアダプタをネジで固定します。向きに注意しましょう。
逆の手順で元に戻します。戻し終えたら、ハードディスクからSSDへの換装は完了です。
ドライブの初期化
インストール用CD-ROMを使って、SSDの初期化を行います。iMac DV+の電源オン。起動音の直後に「?」マークのアイコンが表示されました。まだ、SSDにシステムがインストールされていないので正常な動作です。
インストール用CD-ROMをドライブに挿入します。しばらくすると、CD-ROM内のシステムを見つけて、ハッピーマックが表示されます。
CD-ROMからシステム起動中。Mac OS 9.2です。背景には、CDブートであることが一目でわかるように「CD.CD.CD.CD...」と表示されています。
起動完了。ユーティリティから「ドライブ設定」を起動します。
ドライブの一覧に「<未初期化> ATA」と表示されています。どうやら問題なく認識されているようです。
初期化します。
初期化が完了してマウントされました。デスクトップの右側に「名称未設定」という名前で表示されています。
名前を「Internal Disk」に変更しました。
システムのインストール
続いて、システムをインストールします。インストール用CD-ROMから「Mac OS インストーラ」を起動します。
「続ける」をクリック。
インストール先ディスクが「Internal Disk」であることを確認して「選択」をクリック。ソフトウェア使用許諾契約が表示されるので同意します。
「開始」をクリック。
インストールが完了するまでしばらく待ちます。
インストールが完了しました。「終了」をクリック。なにやらデスクトップが賑やかになっていますね。
再起動します。
SSDから起動中。
起動しました。デスクトップの下にはコントロールバーが表示されています。
不要なアイコンを削除してすっきりしたデスクトップ。
今回は、iMac DV+の内蔵IDEハードディスクを、スゴイアダプタを使用してSSDに換装しました。初期化、システムのインストールとも問題なく完了です。
iMac DV+は、ファンレス設計なので動作音は静かなのですが、さらに内蔵ハードディスクの駆動音もなくなったので、ほぼ無音に。耳を澄ませば、かすかにブラウン管のジーッと言う音のみが聞こえてきます。