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3.5型IDEハードディスクが手に入らない!

iMac DV+の内蔵ハードディスクをSSDに換装する

2022-08-152022-08-15

iMac DV+の内蔵ハードディスクをSSDに換装する方法を紹介します。

iMac DV+

iMac DV+は、2000年に発売された15インチCRT(ブラウン管)ディスプレイ一体型のMacです。450MHzのPowerPC G3(PowerPC 750)と、当時としては大容量となる20GBのハードディスクを搭載していました。フロントには、スロットローディング方式のDVD-ROMドライブと、両側にハーマン・カードンのステレオスピーカーを装備しています。

図1-1.iMac DV+(sage)
図1-1.iMac DV+(sage)

本記事では、このiMac DV+の内蔵ハードディスクを新しいものに換装します。この内蔵ハードディスクのインターフェースはIDE(Ultra ATA)という規格で、すでに新品のハードディスクは入手が困難となっています。

そこで、今回はシステムトークスの「スゴイアダプタ(SATA-TR2535)」という変換アダプターを使用します。この変換アダプターは、2.5型SATAハードディスク(またはSSD)を3.5型IDE(PATA)に変換することができます。つまり、20年経過しているiMac DV+にSSDが付けられるんです。

図1-2.スゴイアダプタ
図1-2.スゴイアダプタ

ハードディスクをSSDに換装する

iMac DV+のハードディスクをSSDに換装するにあたって、使用するのがシステムトークスのスゴイアダプタ(SATA-TR2535)と、キングストンテクノロジーのQ500シリーズ(120GB)です。スゴイアダプタの解説とSSDの取り付け手順は「スゴイアダプタ(2.5型SATAを3.5型IDEに変換)」をご覧ください。

図2-1.スゴイアダプタとQ500シリーズ(120GB)
図2-1.スゴイアダプタとQ500シリーズ(120GB)

システムトークス スゴイアダプタ(SATA-TR2535)

3.5インチIDEハードディスクをSATAハードディスクを使用して再現するディスクケース型変換アダプタ。

キングストンテクノロジー Q500シリーズ(120GB)

高速データ転送が可能に。優れた耐久性でデータをしっかり保護。

ハードディスクからSSDへの換装

換装作業は、iMac DV+を逆さまにひっくり返して行います。傷が付かないように柔らかい布などの上で作業しましょう。また、iMac DV+は、かなり重いので、ひっくり返すときは落とさないように注意してください。

底面後方にある外部ディスプレイ出力ポートのカバーを、マイナスドライバーなどを差し込んで外します。

図2-2.ハードディスクからSSDへの換装(1)
図2-2.ハードディスクからSSDへの換装(1)

底面カバーを固定しているネジのうち、後方の2本を外します。

図2-3.ハードディスクからSSDへの換装(2)
図2-3.ハードディスクからSSDへの換装(2)

前方の2本を外します。底面カバーを後ろから持ち上げるようにして外します。経年劣化により、底面カバーのツメを引っかける本体側が破損することがあります。高確率で壊れますが、見えないところですし、底面カバーはネジで固定されるのであまり影響はありません。

図2-4.ハードディスクからSSDへの換装(3)
図2-4.ハードディスクからSSDへの換装(3)

金属のシールドを固定しているネジ6本をすべて外します。シールドを前から持ち上げるようにして外します。

図2-5.ハードディスクからSSDへの換装(4)
図2-5.ハードディスクからSSDへの換装(4)

ブラケットに収まっているのがハードディスクとDVD-ROMドライブです。

図2-6.ハードディスクからSSDへの換装(5)
図2-6.ハードディスクからSSDへの換装(5)

ケーブル類を抜きます。ブラケットを固定しているネジ4本を外します。後ろから持ち上げるようにして引き抜きます。スピーカーのケーブルに引っかからないように気をつけましょう。

図2-7.ハードディスクからSSDへの換装(6)
図2-7.ハードディスクからSSDへの換装(6)

ハードディスク(写真上)とDVD-ROMドライブ(写真下)です。ハードディスクを固定しているネジ4本(写真上面)を外して、ハードディスクを抜き取ります。この時、ハードディスクを保護しているゴムカバーとブラケットが固着していることがあります。剥がしながら抜き取りましょう。

図2-8.ハードディスクからSSDへの換装(7)
図2-8.ハードディスクからSSDへの換装(7)

SSDを取り付けたスゴイアダプタをネジで固定します。向きに注意しましょう。

図2-9.ハードディスクからSSDへの換装(8)
図2-9.ハードディスクからSSDへの換装(8)

逆の手順で元に戻します。戻し終えたら、ハードディスクからSSDへの換装は完了です。

ドライブの初期化

インストール用CD-ROMを使って、SSDの初期化を行います。iMac DV+の電源オン。起動音の直後に「?」マークのアイコンが表示されました。まだ、SSDにシステムがインストールされていないので正常な動作です。

図2-10.ドライブの初期化(1)
図2-10.ドライブの初期化(1)

インストール用CD-ROMをドライブに挿入します。しばらくすると、CD-ROM内のシステムを見つけて、ハッピーマックが表示されます。

図2-11.ドライブの初期化(2)
図2-11.ドライブの初期化(2)

CD-ROMからシステム起動中。Mac OS 9.2です。背景には、CDブートであることが一目でわかるように「CD.CD.CD.CD...」と表示されています。

図2-12.ドライブの初期化(3)
図2-12.ドライブの初期化(3)

起動完了。ユーティリティから「ドライブ設定」を起動します。

図2-13.ドライブの初期化(4)
図2-13.ドライブの初期化(4)

ドライブの一覧に「<未初期化> ATA」と表示されています。どうやら問題なく認識されているようです。

図2-14.ドライブの初期化(5)
図2-14.ドライブの初期化(5)

初期化します。

図2-15.ドライブの初期化(6)
図2-15.ドライブの初期化(6)

初期化が完了してマウントされました。デスクトップの右側に「名称未設定」という名前で表示されています。

図2-16.ドライブの初期化(7)
図2-16.ドライブの初期化(7)

名前を「Internal Disk」に変更しました。

図2-17.ドライブの初期化(8)
図2-17.ドライブの初期化(8)

システムのインストール

続いて、システムをインストールします。インストール用CD-ROMから「Mac OS インストーラ」を起動します。

図2-18.システムのインストール(1)
図2-18.システムのインストール(1)

「続ける」をクリック。

図2-19.システムのインストール(2)
図2-19.システムのインストール(2)

インストール先ディスクが「Internal Disk」であることを確認して「選択」をクリック。ソフトウェア使用許諾契約が表示されるので同意します。

図2-20.システムのインストール(3)
図2-20.システムのインストール(3)

「開始」をクリック。

図2-21.システムのインストール(4)
図2-21.システムのインストール(4)

インストールが完了するまでしばらく待ちます。

図2-22.システムのインストール(5)
図2-22.システムのインストール(5)

インストールが完了しました。「終了」をクリック。なにやらデスクトップが賑やかになっていますね。

図2-23.システムのインストール(6)
図2-23.システムのインストール(6)

再起動します。

図2-24.システムのインストール(7)
図2-24.システムのインストール(7)

SSDから起動中。

図2-25.システムのインストール(8)
図2-25.システムのインストール(8)

起動しました。デスクトップの下にはコントロールバーが表示されています。

図2-26.システムのインストール(9)
図2-26.システムのインストール(9)

不要なアイコンを削除してすっきりしたデスクトップ。

図2-27.システムのインストール(10)
図2-27.システムのインストール(10)

今回は、iMac DV+の内蔵IDEハードディスクを、スゴイアダプタを使用してSSDに換装しました。初期化、システムのインストールとも問題なく完了です。

図2-28.システムのインストール(11)
図2-28.システムのインストール(11)

iMac DV+は、ファンレス設計なので動作音は静かなのですが、さらに内蔵ハードディスクの駆動音もなくなったので、ほぼ無音に。耳を澄ませば、かすかにブラウン管のジーッと言う音のみが聞こえてきます。

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