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MSXの名作ゲームをHDMIでプレイする第1弾

MSXの出力(映像・音声)をHDMIに変換する

2022-06-162022-06-16

MSXの出力(映像・音声)をHDMIに変換する方法を紹介します。

注意

本記事は、MSXの出力(映像・音声)をHDMIに変換する方法を紹介するものです。現存するMSXは、製造からすでに30年以上経過しており、経年劣化による事故を招く恐れがあります。変化や異常を感じた場合は、すぐに使用を中止してください。

HDMIとMSXのディスプレイ(テレビ)インターフェース

HDMI(High-Definition Multimedia Interface)

HDMI(High-Definition Multimedia Interface)は、映像信号・音声信号・制御信号を1本のケーブルで送信できる通信規格で、2002年にバージョン1.0がリリースされました。その後、映像信号の大容量化に合わせて帯域幅拡張などのバージョンアップを繰り返し、今ではテレビ・パソコン・ゲーム機など多くの機器に搭載され、デジタル家電向けインターフェースのデファクトスタンダートとなっています。

MSX(初代MSX・MSX1)

HDMI 1.0のリリースからさかのぼること約20年、1983年にマイクロソフトと当時のアスキーによって提唱されたパソコンの共通規格がMSXです。CPU・VDP(Video Display Processor)・PSG(Programmable Sound Generator)などが共通化され、さらにソフト(アプリ)を差し替えて使うためのカートリッジスロットを備えていました。

図1-1.東芝のMSXブランド「パソピアIQ」
図1-1.東芝のMSXブランド「パソピアIQ」

また、ROMにはMSX BASICというプログラミング言語(BASICインタープリター)が組み込まれ、スイッチを入れるとすぐにプログラムを作ることができたのも特徴のひとつです。

図1-2.MSX BASIC
図1-2.MSX BASIC

国内では、東芝・ソニー・ヤマハ・ナショナル・カシオなど主要なメーカーから販売され、低価格だったこと・家庭用テレビ(アナログ)のアンテナ端子に接続できたこと・ゲームがカートリッジで提供されていたことなどを理由に販売台数を伸ばしました。

初代MSX(後継規格と区別するためにMSX1と呼ぶこともある)の後、MSX2(1985年)・MSX2+(1988年)・MSXturboR(1990年)などの後継規格が発表され、一時代を作ったものの、1995年頃には下火になったとされています。ちょうどWindows95が登場した頃です。

MSXパーフェクトカタログ

著 者
前田 尋之
出版社
ジーウォーク
発売日
2020/5/28

MSXのディスプレイ(テレビ)インターフェース

1984年に発売されたナショナルのキングコングシリーズ第二弾「CF-3000」の背面を見ながらディスプレイ(テレビ)インターフェースを紹介します。

図1-3.ナショナルのキングコングシリーズ第二弾「CF-3000」の背面
図1-3.ナショナルのキングコングシリーズ第二弾「CF-3000」の背面

MSXが発売された頃のテレビの多くには外部入力端子がなく、そのため、アンテナ入力端子からチューナーを通すことでテレビ放送のように表示させる「RF出力」を備えたものが一般的でした。RF出力は、スイッチによって1ch、または2chに切り替えることができました。RF出力の端子形状はRCAです。

CF-3000は、RF出力以外に「出力(映像・音声)」や「RGB出力」といった端子を備えています。出力(映像)はコンポジット映像信号、出力(音声)はモノラル音声信号を出力します。出力(映像・音声)の端子形状はいずれもRCAです。RGB出力は「RGB21ピン」とも呼ばれ、映像信号・音声信号をアナログで伝送する規格です。RGB出力の端子形状はSCARTです。

HDMIのリリース以前に登場したMSXには、もちろん「HDMI出力」はありません。本記事では、MSXのディスプレイ(テレビ)インターフェースのうち、出力(映像・音声)をHDMIに変換する方法を紹介します。

変換に使用するケーブル・機器

MSXの出力(映像・音声)をHDMIに変換するために使用するケーブル・機器です。

AVケーブル

両端がRCA端子(黄・白・赤)のAVケーブル。黄がコンポジット映像信号、白が左(L)側の音声信号・赤が右(R)側の音声信号です。

図2-1.AVケーブル
図2-1.AVケーブル

オーディオケーブル(分岐用)

モノラル音声信号を分岐するオーディオケーブルです。MSXの出力(音声)から出力される音声信号はモノラルなので、左右に分岐します。

図2-2.オーディオケーブル(分岐用)
図2-2.オーディオケーブル(分岐用)

HDMIケーブル

変換後の映像信号・音声信号をテレビに入力するためのHDMIケーブルです。

図2-3.HDMIケーブル
図2-3.HDMIケーブル

AV to HDMI変換器

MSXから出力されるコンポジット映像信号・モノラル音声信号(ケーブルで左右に分岐)を、HDMIに変換する変換器です。2系統のAVケーブルを接続することができます。また、HDMI変換後の画面比率(アスペクト比)を4:3、16:9のいずれかに設定することができます。

図2-4.AV to HDMI変換器(AV入力)
図2-4.AV to HDMI変換器(AV入力)

HDMI出力は1系統です。電源(Power)端子には、USBケーブルを使って5V/1Aを給電します。

図2-5.AV to HDMI変換器(HDMI出力)
図2-5.AV to HDMI変換器(HDMI出力)

AV to HDMI変換器

2つのRCA端子(黄・白・赤)を同時に接続し、HDMI信号に変換します。

ケーブル・機器の接続

MSXの出力(映像・音声)をHDMIに変換する接続図です。

図3-1.MSXの出力(映像・音声)をHDMIに変換する接続図
図3-1.MSXの出力(映像・音声)をHDMIに変換する接続図

AVケーブルとオーディオケーブル(分岐用)のRCA端子(白・赤)をそれぞれ接続します。

図3-2.AVケーブルとオーディオケーブル(分岐用)の接続
図3-2.AVケーブルとオーディオケーブル(分岐用)の接続

オーディオケーブル(分岐用)の分岐元を出力(音声)に接続します。また、RCA端子(黄)を出力(映像)に接続します。

図3-3.MSXの出力(映像・音声)の接続
図3-3.MSXの出力(映像・音声)の接続

他方のRCA端子(黄・白・赤)を変換器のInput 1に接続します。

図3-4.変換器Input 1の接続
図3-4.変換器Input 1の接続

変換器のHDMI OUTにHDMIケーブルを接続します。

図3-5.変換器HDMI OUTの接続
図3-5.変換器HDMI OUTの接続

HDMIケーブルの他方を、テレビのHDMI入力に接続します。以上で、ケーブル類の接続は完了です。

図3-6.テレビHDMI入力の接続
図3-6.テレビHDMI入力の接続

接続の確認

テレビの電源スイッチをオンにして、入力をHDMIに切り替えます。変換器の電源スイッチをオンにすると、テレビに「No Signal」と表示されます。

図3-7.No Signal画面
図3-7.No Signal画面

変換器の入力切り替えスイッチが「Input 1」になっていることを確認して、MSXの電源をオンにします。MSXの画面が表示されればOKです。表示されない場合は、ケーブルの接続を見直しましょう。

図3-8.テレビに表示されたMSXの画面
図3-8.テレビに表示されたMSXの画面

画面比率は4:3(当時の画面比率)がおすすめです。さぁ、当時の名作ゲームを思いっきりプレイしましょう!

図3-9.画面比率は4:3
図3-9.画面比率は4:3

おすすめ

AV to HDMI変換器

2つのRCA端子(黄・白・赤)を同時に接続し、HDMI信号に変換します。

オーディオケーブル(分岐用)

モノラルからステレオへ変換します。

AVケーブル

両端がRCA端子(黄・白・赤)のAVケーブルです。

HDMIケーブル

HDMIケーブルです。

MSXパーフェクトカタログ

著 者
前田 尋之
出版社
ジーウォーク
発売日
2020/5/28
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