PICO ROBOTの機能と組み立て
独立した二輪の駆動輪を持つSTEM教育用のロボットカー「PICO ROBOT」の機能と、組み立ての手順を紹介します。
PICO ROBOTの機能
YahboomのPICO ROBOTは、独立した二輪の駆動輪を持つSTEM教育用のロボットカーです。Raspberry Pi Picoを搭載することで、プログラミング言語であるMicroPythonを使って、駆動輪などを制御することができます。
120mm×100mm×52mmという小さなボディに、二輪の駆動輪・8つのフルカラーLED・小型ディスプレイ(OLED)・ブザー・超音波距離センサー・2つの明るさセンサー・音センサー・赤外線リモコン受光部・4チャネルライントラッキングセンサーを搭載しています。また、サーボモーター・I2C・GPIOのインターフェースも備えています。
PICO ROBOT機能図(表面)
Cute robot car for Raspberry Pi Pico support MicroPython programming
PICO ROBOT機能図(裏面)
Cute robot car for Raspberry Pi Pico support MicroPython programming
プログラミング環境として、Python IDE(統合開発環境)であるThonnyが推奨されており、PICO ROBOT用のMicroPythonモジュール(pico_car.py)が提供されています。このモジュールを使うことで、PICO ROBOTに搭載されている駆動輪や各種センサーをMicroPythonスクリプト(プログラム)から制御できます。
PICO ROBOTの組み立て
モーター(N20 motor)の取り付け
PICO ROBOTのシャーシ(基板)の裏面にモーターを取り付けます。PICO ROBOTに付属しているモーターは、回転数の調整(減速)とトルクを高めるためのギヤーが一体になったギヤードモーターです。シャーシを裏返して、バッテリーホルダーがある裏面を上にします。
同じモーターが2個付属しているのでどちらを使ってもかまいません。モーターの取付け位置にある10mmほどの長さのハンダに沿って、モーターの溝を合わせます。この時、モーターのギヤーが見えるように配置します。
モーターブラケットをかぶせます。プラスティックリベットを両側の穴にカチッという音がするまで押し込みます。
モーターのリード線(赤黒)につながれたプラグをソケットに差し込みます。向きがあるので注意します。
もう一方のモーターも同じ手順で取り付けます。
プラスティックリベットを表面から見たようすです。リベット中央の棒に押されて花びらのように広がりしっかりと固定されています。
ユニバーサルホイールの取り付け
シャーシを支えると共に、自由に回転するユニバーサルホイールを取り付けます。PICO ROBOTは、二輪の駆動輪とこのユニバーサルホイールの3点によって支えられています。
ユニバーサルホイールを取付け位置に合わせて、表面から2ヶ所ネジ止めします。
ネジ止めを表面から見たようすです。
タイヤの取り付け
モーターの軸は一部が平らになったDカット軸です。タイヤ側の軸穴の平らな面を合わせて押し込みます。左右の違いはありません。
バッテリーの取り付け
バッテリーホルダーにバッテリーを押し込みます。プラスとマイナスを間違えないように気をつけます。バネ側がマイナスです。
小型ディスプレイ(OLED)の取り付け
PICO ROBOTには、小型のディスプレイ(OLED)が付属しています。サイズは0.91インチ、128×32ドットです。
4ピンのOLEDインタフェースに取り付けます。
Raspberry Pi Picoの取り付け
PICO ROBOTのセットには、Raspberry Pi Picoが付属しているもの(with Pico)と付属していないもの(Without Pico)があります。付属していない場合は別途用意します。
Raspberry Pi Picoの取り付けにはピンヘッダーが必要です。
ピンヘッダーには、ブレッドボードへの抜き差しを容易にする「細めのピンヘッダー」があります。細めのピンヘッダーが実装されたRaspberry Pi Picoの場合、接続不良となる恐れがあります。通常のピンヘッダーをお使いください。
Raspberry Pi Picoインタフェースに取り付けます。向きを間違えないように気をつけます。
完成したPICO ROBOTです。もう一度、Raspberry Pi Picoの向きが正しいか確認しましょう。
Bluetoothモジュール ※取り付けません。
PICO ROBOTには、無線通信ができるBluetoothモジュールが同梱されています。しかしながら、技適マークが確認できなかったため、本記事では取り付けません。
日本国内において、無線機は電波法に規定されている機器認定を受ける必要があり、適合を証明する技適マークと技適番号を無線機に表示しなければなりません。技適マークは、モジュールや製品筐体、パッケージやマニュアルなどに記載されています。詳しくは「総務省電波利用ホームページ - 電波の利用ルール」をご覧ください。