ネットワークの設定
Windows Server 2016のインストール直後に、ネットワークを設定する手順を解説します。
1-6-1.ネットワークの設定(IPv4・IPv6)
Windows Server 2016をインストールした直後は、DHCPが有効になっています。同一ネットワーク上に、IPアドレスの振り出しが可能なDHCPサーバーが稼働していれば、自動的にIPアドレスが割り当てられます。通常は、組織の採番規則の則り、固定のIPアドレスが決められます。ここでは、IPv4を表1-6-1-1のように設定します。
IPアドレス(IPv4) | 192.168.1.201 |
---|---|
サブネットマスク | 255.255.255.0 |
デフォルトゲートウェイ | 192.168.1.1 |
優先DNSサーバー | 192.168.1.1 |
代替DNSサーバー |
また、Windows Server 2016をインストールした直後は、IPv6が有効になっています。ここでは、IPv6を無効化します。
IPアドレス(IPv6)の無効化 | 無効化する |
---|
ネットワークの設定
サーバーマネージャーを起動して、「ローカルコンピューター」をクリックします。プロパティの一覧から、ネットワークアダプター(Ethernet0)に設定された値をクリックします。
図1-6-1-1を見ると、DHCPによってIPv4アドレスが割り当てられ、IPv6が有効になっていることをわかります。
「ネットワークの接続」が開き、アダプターの一覧が表示されます。
ネットワークアダプター(Ethernet0)を右クリックして、メニューから「プロパティ」をクリックします。
選択したアダプター(Ethernet0)のプロパティが開くので、「インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)」を選択して、「プロパティ」をクリックします。
「インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)のプロパティ」が開くので、「次のIPアドレスを使う」にチェックを付けます。
IPアドレス・DNSサーバーの値を入力して、「OK」をクリックします。
続いて、IPv6を無効化します。「インターネットプロトコルバージョン6(TCP/IPv6)」のチェックを外します。「閉じる」をクリックします。
「ネットワーク接続」を閉じます。
「サーバーマネージャー」に戻るので「最新の情報に更新」をクリックします。
設定したIPドレスが表示されていることを確認します。
「サーバーマネージャー」を終了します。
1-6-2.IPv6トンネルインターフェースの無効化
Windows Server 2016では、物理的なネットワークアダプターに対するIPv6インターフェースの他に、仮想的なIPv6トンネルインターフェースがあります。IPv6トンネルインターフェースとは、IPv4トラフィックをIPv6上に流したり、その逆を行うものです。
Windows Server 2016に実装されているIPv6トンネルインターフェースは、6to4・ISATAP・Teredoで、ネットワークの状態に応じて、トンネルアダプター(Tunnel Adapter)が自動的に作成されます。表1-6-2-1は、ネットワークの状態を表示するコマンド(ipconfig /all)の実行結果です。IPアドレスを設定したネットワークアダプター(11行目)の他に、トンネルアダプター(Tunnel Adapter)が二つ(24行目・33行目)作成されています。
図1-6-2-2は、netshコマンドでIPv6インターフェースの状態を確認したものです。この結果からも、ISATAPとTeredoが有効になっていることがわかります。
IPV6トンネルインターフェースを無効化する方法は二つあります。一つは、netshコマンドでIPv6トンネルインターフェース毎に無効化するものです。もう一つは、レジストリ設定でまとめて無効化する方法です。
IPv6トンネルインターフェースの無効化(netshコマンド)
まず、netshコマンドで、各IPv6トンネルインターフェースの状態を確認します。1行目・4行目・8行目がnetshコマンドです。結果は、ISATAP状態→default、6to4サービス状態→default、Teredoパラメーター(種類)→Clientとなっています。これらの状態を無効化(disable)します。
無効化(disable)するnetshコマンドです。netshコマンド実行後、Windows Server 2016の再起動は不要です。
もう一度、各IPv6トンネルインターフェースの状態を確認します。すべて無効化(disable)されました。
IPv6トンネルインターフェースの無効化(レジストリ設定)
IPv6トンネルインターフェースを無効化するもう一つの方法です。レジストリーエディターで、以下を設定します。
- キー : HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip6\Parameters\
- 値 : DisabledComponents
- タイプ : DWORD(32ビット)値
- 値のデーター : 0x000000ff(255)
レジストリーの設定後、Windows Server 2016を再起動します。Windows Server 2016の再起動後、netshコマンドで、各IPv6トンネルインターフェースの状態を確認します。すべて無効化(disable)されました。
IPv6ループバック
図1-6-2-7は、IPv6トンネルインターフェースを無効化にした後、netshコマンドでIPv6インターフェースの状態を確認したものです。「Loopback Pseudo-Interface」というものが表示されました。これは、IPv6のループバックインターフェースで、ループバックアドレスは::1です。
なお、IPv6ループバックインターフェースは無効化できません。
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