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電子工作[超]入門 Lab.

電子工作[超]入門 Lab.では、これから電子工作を始める人に向けた情報や作例を紹介しています。

電子工作のファーストステップ
3-1

LEDを光らせる【Lピカ】

2017-12-222023-11-02

LED(発光ダイオード)をピカッと点灯させる、通称「Lピカ」を作ります。

3-1-1.できること

電子工作のファーストステップとして紹介するのは、LED(発光ダイオード)をピカッと点灯させる、通称「Lピカ」です。ハンダ付け不要のブレッドボードを使って、赤色のLED1個を乾電池で光らせます。簡単な電子回路ですが次のようなことが理解できます。

図3-1-1-1.Lピカ
図3-1-1-1.Lピカ

3-1-2.用意するもの

図3-1-2-1は、乾電池でLEDをピカッと点灯させるLピカに必要な部品です。表3-1-2-1は、部品の仕様・定格などの一覧です。これから購入を考えている人は、こちらを参考にして部品をそろえてください。

図3-1-2-1.用意するもの
図3-1-2-1.用意するもの
表3-1-2-1.用意するもの(仕様・定格など)
品名 数量 仕様・定格など
ブレッドボード 1
LED 1 赤色、砲弾型、直径3ミリ(または5ミリ)、順方向電圧2.0V、制限電流20mA
抵抗器 1 カーボン抵抗、100Ω(茶黒茶金)、1/2W(または1/4W)
電池ボックス 1 単三乾電池2本用
単三乾電池 2 1.5V
すずメッキ線 3 2cm(または同等のジャンプワイヤー)

はじめてチャレンジする電子工作で、これから部品の購入を考えている人には、サンハヤトの「小型ブレッドボードパーツセット SBS-202 LED点滅回路」がおすすめです。この電子工作に必要な部品がすべて含まれています。ただし、乾電池は別売りなので忘れずに。

サンハヤト 小型ブレッドボードパーツセット SBS-202 LED点滅回路

ブレッドボードに部品を挿し込むだけで、ハンダ付けをすることなく電子工作が楽しめます。わかりやすい取扱説明書付き。

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単3形アルカリ乾電池の8個パックです。

3-1-3.注意点

作り始める前に、部品の扱いについての注意点があります。まず、乾電池の扱いです。乾電池を使わない時は、乾電池を電池ボックスから外しましょう。乾電池のプラス極とマイナス極がくっつくと大きな電気が流れます。これを短絡(ショート)といいます。電池ボックスに乾電池を入れたままにしておくと、リード線の先端が触れることで短絡となり、乾電池が発熱するなどの危険な状態になります。

図3-1-3-1.乾電池の注意点
図3-1-3-1.乾電池の注意点

もう一つは、LEDの注意点です。図3-1-3-2のようにLEDを直に乾電池とつないではいけません。LEDと乾電池を直接接続することで、LEDに大きな電気が流れ、LEDを破損する危険があります。電圧が高いと最悪の場合、LEDの樹脂が破裂する恐れがあるので十分な注意が必要です。

図3-1-3-2.LEDの注意点
図3-1-3-2.LEDの注意点

3-1-4.作り方

では、早速作ってみましょう。まず、部品がすべて揃っていることを確認したら、ブレッドボードを手元に置きます。部品をこの上に並べて、Lピカの電子回路を作っていきます。

図3-1-4-1.作り方(1)
図3-1-4-1.作り方(1)
ポイント

ブレッドボードについては「2-1.ブレッドボード」で詳しく解説しています。

ブレッドボードにLEDを挿します。LEDには向き(極性)があるので注意してください。ブレッドボードの「19i」にLEDの長い足(アノード側)を挿します。

図3-1-4-2.作り方(2)
図3-1-4-2.作り方(2)
ポイント

LEDについては「2-4.LED【発光ダイオード】」で詳しく解説しています。

抵抗器の足(リード線)を直角に折り曲げ、ブレッドボードに挿します。抵抗器に極性はありませんが、色帯(カラーコード)の向きを合わせておくと、複数の抵抗器が並んだ時にきれいに見えます。図3-1-4-3では、左から右に向かって色帯(カラーコード)が読み取れるようになっています。

図3-1-4-3.作り方(3)
図3-1-4-3.作り方(3)
ポイント

抵抗器については「2-2.抵抗器」で詳しく解説しています。

ポイント

抵抗器などリード部品の足(リード線)を折り曲げるには、サンハヤトの「リードベンダー【RB-5】」が便利です。

図.リードベンダー(RB-5)
図.リードベンダー(RB-5)

2cmに切ったすずメッキ線の両端を、5mm程度直角に折り曲げます。図3-1-4-4のようにすずメッキ線を配線して、電子回路を作ります。

図3-1-4-4.作り方(4)
図3-1-4-4.作り方(4)

最後に、ブレッドボードに電池ボックスを取り付けます。電池ボックスのプラス側(赤色)をブレッドボードの電源ライン(赤)に挿します。マイナス側(黒)を電源ライン(黒)に挿します。これで電子回路が完成しました。

図3-1-4-5.作り方(5)
図3-1-4-5.作り方(5)

もう一度、回路に間違いがないか確認しましょう。

では、動作の確認です。乾電池の向きを間違えないようにセットします。LEDは点灯しましたか?LEDが赤く点灯すれば成功です。もし、うまく点灯しない場合は、すぐに乾電池を外して、もう一度電子回路を確認しましょう。

図3-1-4-6.作り方(6)
図3-1-4-6.作り方(6)

いかがだったでしょうか。LED一つだけですが、光り物はわくわくしますね。暗い所でLEDの明かりを楽しんでください。

図3-1-4-7.完成したLピカ
図3-1-4-7.完成したLピカ

電子工作がはじめての人でも、ブレッドボードLED(発光ダイオード)抵抗器などの詳しい解説とともにLピカの電子回路を完成させると、理解が深まったのではないでしょうか。

3-1-5.解説

Lピカの電子回路の解説です。詳しく見てみましょう。

回路図

先ほど作ったLピカの電子回路では、電気の流れはどうなっているのでしょうか。乾電池をセットすることで、乾電池のプラス極を出発した電気は、ブレッドボードの電源ライン(赤)→すずメッキ線→LED→すずメッキ線→抵抗器→すずメッキ線→ブレッドボードの電源ライン(黒)の順に流れて、乾電池のマイナス極へ戻ります。(※途中のブレッドボードは省略)

図3-1-5-1.電気の流れ
図3-1-5-1.電気の流れ

このように、プラス極からマイナス極まで電気の通り道がつながることで、電子回路に電気が流れます。これを回路記号を使って回路図で表すと図3-1-5-2のようになります。

図3-1-5-2.Lピカの電子回路(回路図)
図3-1-5-2.Lピカの電子回路(回路図)

抵抗器の役割

覚えていますか?Lピカの電子回路を作成するにあたり、LEDの扱いには注意点がありました。LEDを直接乾電池につないではいけないというものです。直接つなぐことで、LEDに大きな電気が流れ、LEDそのものを破損する恐れがありましたね。もう一度、図3-1-5-2を見てみましょう。LEDと抵抗器が一列に並んでいますね。これを直列接続といいます。このLピカの電子回路では、LEDを乾電池に直接つなぐのではなく、LEDと抵抗器を直列に接続して乾電池につないでいます。

では、この抵抗器は何をしているのでしょうか。「2-2.抵抗器」で、抵抗器の役割をいくつか紹介しました。この抵抗器は、その中の一つ「直列に接続された他の部品に流れる電気の量(電流)を調整する」という役割を担っています。

守るべきLEDの定格

ここで、LEDの主な定格を見てみましょう。二つあります。「順方向電圧」と「制限電流」です。順方向電圧とは、LEDが光るために必要な電圧のことで、個体によってばらつきがありますが、赤・緑・黄のLEDで1.8V~2.2V、青・白のLEDで3.0V~3.6V程度です。LEDには、この順方向電圧を超えると急激に大きな電気が流れるという特性があります。そのため、制限電流という安全に使うための上限値が決められており、20mA程度となっています。LED自身には、電流を制限する能力がないため、外部の部品によって、制限電流以下にしなければなりません。

つまり、Lピカの電子回路では、この制限電流を超えないように、抵抗器で流れる電気の量(電流)を調整しているということになります。

抵抗値の決め方

抵抗器が、LEDの電流を制限していることがわかりました。Lピカの電子回路では、抵抗値が100Ωの抵抗器を使用しています。では、その抵抗値はどのようにして決められたのでしょうか。順を追ってみてみましょう。

まず、電源の電圧です。Lピカの電子回路では、乾電池2本を使用しているので、電源の電圧は1.5V×2本=3Vです。

次に、LEDの「順方向電圧」と「制限電流」を確認します。Lピカの電子回路に使用したLEDは赤色なので、順方向電圧は1.8V~2.2V程度です。ここでは2.0Vと仮定します。制限電流は20mAですが、比較的ばらつきが多いため、上限いっぱいでは使用しません。通常は制限電流の50%~70%程度で使用されることが多く、ここでは半分の10mAとします。このようにLEDの電流は、電子回路を設計する者が、制限電流を超えない範囲で決めます。

最後に、抵抗値を求めます。先ほどLEDの電流を決めました。直列接続の場合、接続された部品に流れる電流は同じ大きさになるので、抵抗器の電流も10mAとなります。電源の電圧が3V、LEDの順方向電圧が2Vであることから、抵抗器の電圧は3V-2V=1Vになります。これは、直列接続時の分圧によって求められます。抵抗器の電流が10mA、電圧が1Vであることから、オームの法則により、1V÷10mA=100Ωが導き出されます。また、抵抗器の消費電力は1V×10mA=0.01Wとなります。

Lピカの電子回路で使用する抵抗器は、抵抗値が100Ω、定格電力1/8W(0.125W)以上を選定すればよいということになります。(※抵抗器の定格電力を1/8W・1/4W・1/2W・1Wの中から選ぶ場合)

図3-1-5-3.Lピカの電子回路(回路図)
図3-1-5-3.Lピカの電子回路(回路図)

3-1-6.電子工作(Lピカ)関連のおすすめ品

人気が高いサンハヤトのブレッドボードです。電源ラインが中央で分割されているため、異なる電源電圧(3.3Vと5Vなど)で使用できます。

サンハヤト SAD-101 ニューブレッドボード

部品やリード線を挿すだけで回路が組み立てられるサンハヤト製ブレッドボード。分割されたした赤色電源ラインをジャンプワイヤーで接続済み。

直線的に結線するためのジャンプワイヤーです。幅が2.54mmから127mmまでの色分けされた14種類×各10本=合計140本が含まれています。

サンハヤト ジャンプワイヤーキット SKS-140 単線タイプのワイヤーのセット品

簡単に抜き挿しができるブレッドボードのベストパートナー。単線タイプのジャンプワイヤーセット。セット内容:14種類×各10本=合計140本

離れた箇所を結線するためのジャンプワイヤーです。長さが100mmの5色×各2本=合計10本が含まれています。

サンハヤト ジャンプワイヤー SPP-100 100ミリ

簡単に抜き挿しができるブレッドボードのベストパートナー。ワイヤー両端部にニッケルピンを使ったハイグレードなジャンプワイヤーセット。セット内容:各2本 合計10本

サンハヤト製リードベンダー(MODEL RB-5)です。

サンハヤト リードベンダー RB-5 リード線、部品の簡易折り曲げ器

抵抗やダイオードなどアキシャル部品のリード線をワンタッチで直角に折り曲げられる便利なツールです。

電子工作で、よく使いそうな抵抗値20種類をまとめたキットです。カラーコード表も付属し、これから電子工作を始めるにはおすすめです。

スイッチサイエンス 抵抗キット 1/4W(20種計500本入り)

20種類×25本=500本の抵抗器をまとめたキットです。

LEDを点灯する・トランジスターでLEDを点灯する・明るさセンサーでLEDを点灯する・明るさセンサーにキャンドルICを連動させてLEDを点灯するなど実験が行えます。LEDを安全に点灯させる電流制限用として抵抗器が使用されています。

サンハヤト 小型ブレッドボードパーツセット SBS-201 暗くなると自動点滅するLEDキャンドル

ブレッドボードに部品を挿し込むだけで、ハンダ付けをすることなく電子工作が楽しめます。わかりやすい取扱説明書付き。

ブレッドボードを使って、LEDのみで点灯する回路・トランジスタでLEDを点灯する回路・非安定マルチバイブレーター回路の実験が手軽に行えます。はじめてでも理解しやすい図解された取扱説明書が付いています。

サンハヤト 小型ブレッドボードパーツセット SBS-202 LED点滅回路

ブレッドボードに部品を挿し込むだけで、ハンダ付けをすることなく電子工作が楽しめます。わかりやすい取扱説明書付き。

ブレッドボードを使って、フルカラーLEDを使用したイルミネーション回路の実験が手軽に行えます。はじめてでも理解しやすい図解された取扱説明書が付いています。

サンハヤト 小型ブレッドボードパーツセット SBS-205 LEDイルミネーションキット(フルカラーグラデーション・点滅・温度計)

ブレッドボードに部品を挿し込むだけで、ハンダ付けをすることなく電子工作が楽しめます。プログラム済みマイコンとフルカラーLEDを使ってイルミネーションを作ります。

ハンダ付けなしで実験できるキットが付属。赤緑青白の4色のLEDを使って、12種類の実験と工作が楽しめます。はじめての電子工作にもおすすめです。

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