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電子工作[超]入門 Lab.

電子工作[超]入門 Lab.では、これから電子工作を始める人に向けた情報や作例を紹介しています。

整流・定電圧・定電流・検波など、さまざまな目的で使われる
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ダイオード

2017-11-272017-11-27

整流・定電圧・定電流・検波など、さまざまな目的で使われる「ダイオード」を紹介します。

2-3-1.ダイオードの役割

ダイオードは「電気の流れを一方向にする」役割があります。電子工作でよく使われるダイオードは「シリコンダイオード」と呼ばれるもので、p型半導体とn型半導体を接合した「pn接合型ダイオード」の一つです。

図2-3-1-1.ダイオード
図2-3-1-1.ダイオード

ダイオードを用いる目的はさまざまです。電気の流れを一方向にすることから、交流を直流に変換したり、電気の逆流を防ぎます。この働きを「整流」といいます。また、電圧を一定にする「定電圧」や、電流を一定にする「定電流」として働きます。AMラジオの電波から音声信号を取り出す「検波」にもダイオードが使われています。

2-3-2.pn接合型ダイオードの構造と特性

単にダイオードといえば、図2-3-2-1に示したpn接合型ダイオードのことで、p型半導体とn型半導体を接合した構造になっています。p型半導体側の端子を「アノード」、n型半導体側の端子を「カソード」といいます。アノードからカソードへ向かって電気が流れるように電圧を印加することを「順方向バイアス」、その反対を「逆方向バイアス」といいます。ダイオードは、順方向バイアスによって電気が流れます。

図2-3-2-1.pn接合型ダイオードの構造
図2-3-2-1.pn接合型ダイオードの構造

図2-3-2-2は、ダイオードの電圧と電流の関係を表したものです。赤い線が順方向バイアス時、青い線が逆方向バイアス時の特性です。

図2-3-2-2.電圧と電流の関係
図2-3-2-2.電圧と電流の関係

順方向バイアス時には、ある電圧(VF)を超えた時、電流が一気に増加しています。順方向バイアス時は、電圧に関係なく電気が流れる印象があるかもしれませんが、実際にはある程度の印加が必要です。この電圧(VF)を「順方向電圧」といい、pn接合型ダイオード(シリコンダイオード)で0.6V~0.7V程度必要です。この順方向電圧がそのまま「電圧降下」の値となります。

逆方向バイアス時には、ほとんど電気が流れません。まったく流れないのではなく「リーク電流」と呼ばれるごく微量の電気が流れています。さらに逆方向の電圧を高めていくと、ある電圧(VR)で電気が急激に流れ出します。この電圧(VR)を「降伏電圧」といい、数10V~数100Vになります。この領域を超えるとダイオードは破壊されます。

図2-3-2-3.ダイオードの回路記号
図2-3-2-3.ダイオードの回路記号

2-3-3.ダイオードの種類

pn接合型ダイオードの他にも、さまざまなダイオードがあります。ここでは、ショットキーバリアダイオード・定電圧(ツェナー)ダイオード・定電流ダイオード(CRD/Current Regulative Diode)を紹介します。

ショットキーバリアダイオード

p型半導体とn型半導体との接合ではなく、金属と半導体を接合したダイオードです。pn接合型ダイオードと比べて、順方向電圧(VF)が0.3V~0.5V程度と小さく、低損失です。ただし、リーク電流が大きいなどの欠点もあるので、使用には注意が必要です。

図2-3-3-1.ショットキーバリアダイオード
図2-3-3-1.ショットキーバリアダイオード
図2-3-3-2.ショットキーバリアダイオードの回路記号
図2-3-3-2.ショットキーバリアダイオードの回路記号

定電圧(ツェナー)ダイオード

定電圧(ツェナー)ダイオードは、他のダイオードと違って、逆方向バイアスで使用します。降伏電圧(VR)で急激に電流が流れますが、その領域を超えても破壊されることがないため、安定した電圧(VR)を作り出すことできます。そのため、電源回路や過電圧の抑止回路などに利用されます。

図2-3-3-3.定電圧(ツェナー)ダイオード
図2-3-3-3.定電圧(ツェナー)ダイオード
図2-3-3-4.定電圧(ツェナー)ダイオードの回路記号
図2-3-3-4.定電圧(ツェナー)ダイオードの回路記号

定電流ダイオード(CRD/Current Regulative Diode)

定電流ダイオードは、その名前の通り、電圧が変化しても一定の電流が供給できるダイオードです。一般的に、定電流回路は複雑な構成になりますが、このダイオードを使用すれば、一素子のみで定電流を得られます。定電流ダイオードに印加する電圧を上げていくと、電流(IP)が一定になる領域があり、これをピンチオフといいます。電圧と電流の関係は、他のダイオードと全く異なり、図2-3-3-3のようになります。逆バイアス時には、電流を抑止することなく短絡します。

図2-3-3-5.定電流ダイオード(CRD/Current Regulative Diode)
図2-3-3-5.定電流ダイオード(CRD/Current Regulative Diode)
図2-3-3-6.定電流ダイオードの回路記号
図2-3-3-6.定電流ダイオードの回路記号

2-3-4.ダイオード関連のおすすめ品

ダイオードなどの電子部品の知識・回路の設計方法・自作のノウハウ・実際の製作例などが紹介された一冊です。

電子工作の素

著 者
後閑哲也
出版社
技術評論社
発売日
2007/04/01

とにかく何かが作りたいけど、何から始めたらいいかわからないという人に向けた一冊。ダイオードなどの部品の説明から工具の紹介、実用的な電子工作物を紹介しています。ダイオードを使った原始ラジオの作り方が詳しく説明されています。

電子工作の職人技

著 者
高瀬和則
出版社
技術評論社
発売日
2017/02/17

ダイオードはもちろん、抵抗器・コンデンサー・コイル・トランジスター・集積回路・入出力部品など、電子工作に必要な部品について詳しく紹介した一冊です。

電子部品ハンドブック(I・O BOOKS)

著 者
千野行広
出版社
工学社
発売日
2016/03
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