micro:bit CreateAI
micro:bit CreateAIは、AI(Artificial Intelligence/人工知能)の一つである「機械学習モデル」を、micro:bitで手軽に扱えるようにした仕組みのことです。
micro:bit CreateAIとは
機械学習モデルとは
AI(Artificial Intelligence/人工知能)の一つである「機械学習モデル」は「学習」と「推論」という二つのプロセスによって、結果を導き出します。学習のプロセスでは、入力となる複数のデーターセットを用いて学習することで、それぞれのデーターセットから特徴や規則を見つけてパターン(推論モデル)を作成します。推論のプロセスでは、与えられた新たなデーターがどのパターン(推論モデル)と最も一致しているかを探し出します。例えば、猫や犬など画像をグルーピングして学習することで、別の猫や犬を認識できるようになります。
micro:bit CreateAIとは
micro:bit CreateAIでは、学習のプロセスで入力するデーターとして、micro:bitに搭載されているセンサーの値を用います。現在使えるのは「加速度センサー(Accelerometer)」のみです。加速度センサーは、左右(X軸)・前後(Y軸)・上下(Z軸)の三方向にかかる加速度を計測するもので、micro:bitの動きに合わせて刻々と変化します。例えば、micro:bitのLED画面を上にして「静止している状態」「小刻みに揺らした状態」「落とした状態」を加速度センサーの値で見ると下図のようになります。
micro:bit CreateAIでは、それぞれの状態に名前を付けて、加速度センサーの値を記録していきます。下図は「静止している状態」「小刻みに揺らした状態」「落とした状態」という名前を付けて、それぞれ3回ずつ加速度センサーの値を記録したものです。これが機械学習モデルの入力(学習に用いるデーターセット群)となります。
学習は、画面上のボタンをクリックするだけで自動的に行われ、完了するとテスト画面に遷移します。実際にmicro:bitを動かすと、どの程度一致しているか割合が表示されます。下図は、micro:bitの動きが「小刻みに揺らした状態」に最も高く一致していて、それが選ばれている(緑色になっている)ようすです。
このように、実際にmicro:bitを動かして機械学習モデルの出力を試すことができます。満足のいく出力が得られない場合は、パラメーター(Recognition point)を調整したり、前の画面に戻ってデーターの再収集などを行います。
十分な出力が得られたと判断した場合は、その機械学習モデルを使って、プログラミングすることができます。画面上のボタンをクリックするとMakeCodeに遷移します。ツールボックスには「Machine Learning」というカテゴリーがあり、ワークスペースには機械学習モデルの出力に合わせて「認識したとき(ML start)」ブロックが並んでいます。あとは、これまで通りプログラミングするだけです。
micro:bit CreateAIは、サイトにアクセスするだけで、データーの収集・機械学習モデルの学習・出力のテスト・コーディングまでがシームレスに行え、とても手軽に機械学習を試すことができます。また、micro:bitのウェアラブルな特性をいかすため、データーの収集はBluetoothでの接続で行われます。つまり、micro:bitを身体に装着することで、自由に動き回れるコードレスな状態でデーターの収集が行えるということ。本当によく考えられているなぁと思います。
第17章の記事一覧
17-1.micro:bit CreateAI(加速度センサー編)
https://sanuki-tech.net/micro-bit/CreateAI/createai-3-axis/
AI(Artificial Intelligence/人工知能)の一つである「機械学習モデル」を、micro:bitで手軽に扱えるようにした「micro:bit CreateAI」の使い方を紹介します。micro:bitに搭載されている加速度センサーを使うことで、micro:bitの動きを機械学習モデルで学習して、プログラミングに活用できます。
- 最終更新日
- 2024-11-24
17-2.micro:bit CreateAI(プログラミング編)
https://sanuki-tech.net/micro-bit/CreateAI/createai-makecode/
AI(Artificial Intelligence/人工知能)の一つである「機械学習モデル」を、micro:bitで手軽に扱えるようにした「micro:bit CreateAI」の使い方を紹介します。本記事では、機械学習モデルを作成したあとのプログラミングについて解説します。
- 最終更新日
- 2024-11-25