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micro:bit Lab.【マイクロビット】

micro:bit Lab.では、micro:bit【マイクロビット】に関する情報を紹介しています。

上下に動くHUSKYLENSを備えたAIカーを作る!
13-8

micro:Maqueen Plusへの取り付け(サーボモーター)

2020-05-282020-05-28

HUSKYLENS(AI Vision Sensor)を、micro:Maqueen Plusに取り付けてAIカーを作る手順を紹介します。オプションのMechanic-Loaderを使うことで、HUSKEYLENSの角度をプログラミングで制御できるようになります。

13-8-1.HUSKYLENSとmicro:Maqueen PlusでAIカーを作る

HUSKYLENSは、外部と接続するためのインタフェースとしてUART/I2Cポートを備えているので、micro:bit・Arduino・Raspberry Piなどの小型コンピューターと接続することができます。認識したターゲットのサイズや座標をリアルタイムに取得できるので、自律走行するロボットカーや、顔やジェスチャーに反応するインタラクティブなアプリケーションを開発できます。HUSKYLENSは「付録3-19.HUSKYLENS(AI Vision Sensor)」で詳しく紹介しています。

HuskyLens can connect to Arduino, Raspberry Pi, LattePanda, or micro:bit

Gravity: HUSKYLENS - An Easy-to-use AI Vision Sensor [Pre-order] - DFRobot

micro:bitとの接続

HUSKYLENSには「Gravity 4ピンセンサーケーブル」という4色のケーブルが同梱されていますが、コネクターの形状が異なるため、そのままmicro:bitと接続することができません。また、micro:bitの周辺装置としては、比較的消費電力が大きいため、HUSKYLENSへ安定した電力供給が必要となります。電力不足になると、HUSKYLENSが再起動を繰り返すなど不安定な動作となります。

これらの問題を解決するのが、micro:bitに取り付けて使う「拡張ボード」と呼ばれる基板です。拡張ボードには、さまざまな周辺装置と接続可能なインタフェースや安定した電力供給ができる電源、LED・ブザーなどの機能が備わっています。ただし、選択する拡張ボードによって、搭載するインタフェースや機能の種類や数が異なります。

本記事では、拡張ボードとして「micro:Maqueen Plus」を選択しました。

micro:Maqueen Plusとの組み合わせ

micro:Maqueen Plusは、二つの駆動輪を搭載した、いわゆるプログラミングロボットカーなのですが、さまざまな周辺装置が取り付けられる金属板(拡張ブラケット)の搭載やI2C(IIC)インタフェース・入出力(GPIO)インタフェース・サーボモーターインタフェースがヘッダピンで用意されているなど、高い拡張性が特徴です。詳しくは「付録3-27.micro:Maqueen Plus」で紹介しています。

本記事では、さらに、micro:Maqueen PlusのオプションであるMechanic-Loaderを使って、HUSKYLENSを取り付けます。サーボモーターを内蔵したMechanic-Loaderを使うことで、HUSKYLENSの角度(上下方向)をプログラミングで制御できるようになります。Mechanic-Loaderは「付録3-25.Mechanic-Loader for micro:Maqueen」で詳しく紹介しています。

図13-8-1-1.HUSKYLENSを使ったAIカー(前面)
図13-8-1-1.HUSKYLENSを使ったAIカー(前面)

I2C(IIC)インタフェースを使って、HUSKYLENSを接続します。HUSKYLENSに同梱されているGravity 4ピンセンサーケーブルと配色が同じなので、迷うことなく接続できます。また、Mechanic-Loaderのサーボモーターは、サーボモーターインタフェースに接続します。

図13-8-1-2.HUSKYLENSを使ったAIカー(背面)
図13-8-1-2.HUSKYLENSを使ったAIカー(背面)

AIカーの誕生

HUSKYLENSとmicro:Maqueen Plusを組み合わせることで、AI Vision Sensorと拡張性を備えた二輪のAIカーを比較的簡単に作ることができます。もちろん動作にはプログラミングが必要ですが、HUSKYLENSに搭載された6つのAIアルゴリズムを使って、自律走行するAIカーの開発が楽しめそうです。

13-8-2.準備するもの

HUSKYLENSと同梱物

AIカーの目となるHUSKYLENS本体です。HUSKYLENSは「付録3-19.HUSKYLENS(AI Vision Sensor)」で詳しく紹介しています。

図13-8-2-1.HUSKYLENS
図13-8-2-1.HUSKYLENS

HUSKYLENSに同梱されている小型ブラケット・高さ調整用ブラケット・Gravity 4ピンセンサーケーブル・M3ネジ(6本)・M3ナット(2個)です。

図13-8-2-2.HUSKYLENSの同梱物
図13-8-2-2.HUSKYLENSの同梱物

HUSKYLENS用シリコンケース

HUSKYLENSを保護するためのシリコンケースです。AIカーの走行時、転倒したり衝突による衝撃を和らげ、HUSKYLENSが破損するリスクを軽減するために用意しておいたほうがいいでしょう。三角の耳がついたカッコいいイヌ型のケースです。

図13-8-2-3.HUSKYLENS用シリコンケース
図13-8-2-3.HUSKYLENS用シリコンケース

micro:Maqueen Plusとmicro:bit

micro:Maqueen Plusは、独立した二つの駆動輪を持つSTEM教育用のプログラミングカーです。micro:bitを搭載することで、駆動輪などをプログラミングで制御することができます。超音波センサーは外しておきます。

図13-8-2-4.micro:Maqueen Plusとmicro:bit
図13-8-2-4.micro:Maqueen Plusとmicro:bit

Mechanic-Loader

Mechanic-Loaderは、本来micro:Maqueen Plusをホイールローダーに変身させるためのオプションで、サーボモーターを内蔵したショベル(バケット)です。本記事では、このMechanic-Loaderを使って、HUSKYLENSを上下に動かします。

図13-8-2-5.Mechanic-Loader
図13-8-2-5.Mechanic-Loader

13-8-3.micro:Maqueen Plusへの取り付け手順

拡張ブラケットの取り外し

micro:Maqueen Plusの金属板(拡張ブラケット)を取り外します。図13-8-3-1のように六角スペーサー2本を残します。

図13-8-3-1.拡張ブラケットの取り外し
図13-8-3-1.拡張ブラケットの取り外し

マウントプレートの取り付け

Mechanic-Loaderのマウントプレートをネジ止めします。

図13-8-3-2.マウントプレートの取り付け
図13-8-3-2.マウントプレートの取り付け

サーボモーターの接続

サーボモーターのケーブルは、micro:Maqueen Plusのサーボモーターインタフェース(S1)へ接続します。コネクタの向きに注意しましょう。

図13-8-3-3.サーボモーターの接続
図13-8-3-3.サーボモーターの接続

サーボモーターの動作確認と角度設定

HUSKYLENSを取り付ける前に、サーボモーターの動作確認と角度を90度に設定するためのプログラミングを行います。

MakeCode for micro:bitへアクセスします。新しいプロジェクトを作成して、プログラミングに必要な拡張機能を追加するために「拡張機能」をクリックします。

図13-8-3-4.拡張機能を選ぶ
図13-8-3-4.拡張機能を選ぶ

「https://github.com/DFRobot/pxt-DFRobot-Maqueenplus」で検索して「MaqueenPlus」をクリックします。

図13-8-3-5.拡張機能「MaqueenPlus」を追加する
図13-8-3-5.拡張機能「MaqueenPlus」を追加する

図13-8-3-6のようにプログラミングします。このプログラムは、micro:Maqueen Plusのサーボモーターインタフェース(S1)に接続されたサーボモーターの回転角度を0度・180度・90度に変化させるものです。プログラムが完成したら、micro:bitへ書き込みます。

図13-8-3-6.プログラミング
図13-8-3-6.プログラミング

プログラムの書き込みが終わったら、充電池をバッテリーボックスにセットして、micro:Maqueen Plusの電源スイッチをオンにします。サーボモーターが動作することを確認します。サーボモーターは回転角度が90度の位置で停止します。電源スイッチをオフにして、この位置(90度)を維持したまま、以下の手順を実施します。

マウント部分の組み立て

ショベル(バケット)と高さ調整用ブラケットをネジとナットで組み合わせて、マウント部分を組み立てます。

図13-8-3-7.マウント部分(1)
図13-8-3-7.マウント部分(1)
図13-8-3-8.マウント部分(2)
図13-8-3-8.マウント部分(2)

サーボホーンの取り付け

周辺にある4カ所のネジ穴のうち、中心を通る直線上にある2カ所がほぼ水平になるように丸形サーボホーンを押し込み、中央をネジ止めします。

図13-8-3-9.サーボホーンの取り付け
図13-8-3-9.サーボホーンの取り付け

マウント部分の取り付け

ネジ(3個)を使って、マウント部分を取り付けます。

図13-8-3-10.マウント部分の取り付け
図13-8-3-10.マウント部分の取り付け

HUSKYLENSの取り付け

ネジ(2個)を使って、小型ブラケットをHUSKYLENSに固定します。

図13-8-3-11.小型ブラケットの取り付け
図13-8-3-11.小型ブラケットの取り付け

ネジ(2個)を使って、HUSKYLENSをマウント部分に取り付けます。

図13-8-3-12.HUSKYLENSの取り付け
図13-8-3-12.HUSKYLENSの取り付け

HUSKYLENSの接続

HUSKYLENSに同梱されているGravity 4ピンセンサーケーブルをHUSKYLENSに接続します。

図13-8-3-13.HUSKYLENSの接続
図13-8-3-13.HUSKYLENSの接続

Gravity 4ピンセンサーケーブルとI2C(IIC)インタフェースの色(赤・黒・青・緑)を合わせて差し込みます。

図13-8-3-14.I2C(IIC)インタフェース
図13-8-3-14.I2C(IIC)インタフェース

HUSKYLENS用シリコンケースの取り付け

HUSKYLENS用シリコンケースを取り付けましょう。

図13-8-3-15.HUSKYLENS用シリコンケースの取り付け
図13-8-3-15.HUSKYLENS用シリコンケースの取り付け

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