赤外線学習リモコン【TFW-IR3】
家電などに付属している赤外線リモコンの信号を学習して、プログラムから家電の制御ができる「赤外線学習リモコン【TFW-IR3】」を紹介します。
1.製品の紹介
TFabWorksの「赤外線学習リモコン【TFW-IR3】」は、家電などに付属している赤外線リモコンの信号を学習して、プログラムから家電の制御ができるデバイスです。例えば、照明器具の赤外線リモコンを学習することで、夜間部屋に入ったら自動で照明をつけたり、エアコンの赤外線リモコンを学習することで、寒くなったら自動で部屋を暖められます。学習できる赤外線リモコンの信号は、最大3パターンです。なお、プログラミングには、別途micro:bitなどのコンピューターが必要です。
赤外線学習リモコンの上部には、コンピューターと接続するためのインターフェースとして「ワニグチクリップ用コネクター」と「Groveコネクター(SIG/NC/VCC/GND)」があり、いずれか一方をコンピューターと接続します。下部には、学習用の「ボタン1~3」とそれぞれに「動作LED (オレンジ)」があります。
中央には、赤外線リモコンの信号を受信する「赤外線センサー」、学習した信号を送信する「赤外線LED」と送信の動作を示す「動作LED(赤)」があります。また、両側には「LEGO穴」があり、LEGOテクニックシリーズのピンを挿すことができます。
2.micro:bitでの使用方法
赤外線学習リモコンとmicro:bitを接続して、プログラムで家電を制御する方法を紹介します。パソコンのほかに、次のものを用意します。
- 赤外線学習リモコン【TFW-IR3】
- micro:bit
- micro:bitとパソコンをつなぐUSBケーブル
- ワニグチクリップケーブル(3本)
- 家電などの赤外線リモコン(照明器具など)
赤外線学習リモコンとmicro:bitの接続
micro:bitの「P0端子」「3V」「GND」を、赤外線学習リモコンの「赤外線送信」「3V~5V」「GND」に接続します。また、micro:bitはUSBケーブルでパソコンと接続します。この状態で、赤外線学習リモコンに給電されます。
赤外線リモコンの学習
用意した家電などの赤外線リモコンの信号を学習します。赤外線学習リモコンでは、ボタン1~3までのそれぞれに信号を学習できます。本記事では、ボタン1を使って学習する方法を紹介します。
ボタン1を動作LED(オレンジ)が点灯するまで長押し(5秒以上)します。
用意した家電などの赤外線リモコンの学習させたいボタンを押します。例えば、照明器具のONボタンなどです。学習が完了すると動作LED(オレンジ)が消灯します。
もう一度、ボタン1を押します。長押しではなく、押してすぐに離す短押しです。この時、家電などが期待通りに動作することを確認します。例えば、照明器具のONボタンを学習させた場合、照明器具が点灯すればOKです。
必要に応じて、ボタン2・ボタン3も学習します。学習内容は、赤外線学習リモコン内に登録されるので、電源を切っても忘れることはありません。
プログラミング
赤外線学習リモコンは、micro:bitからPWM(パルス幅変調/Pulse width modulation)という方式によって制御します。PWMについては「3-3.LEDをぼわっと点滅させる【電子蛍】」で解説しているので参考にしてください。
まずデューティー比1%(待機状態)で100ミリ秒間出力した後、デューティー比の十の位がボタンの番号になるように設定して100ミリ秒間出力します。例えば、デューティー比10%はボタン1、20%はボタン2となります。
赤外線学習リモコン【TFW-IR3】
赤外線学習リモコン【TFW-IR3】 - TFabWorks(ティーファブワークス)
MakeCode for micro:bitでは「アナログで出力する」ブロックがPWM出力となり、デューティー比0%~100%が値0~1023に相当するので、待機状態(10)・ボタン1(110)・ボタン2(210)・ボタン3(310)としました。
次のプログラムは、micro:bitのボタンAを押したときに赤外線学習リモコンのボタン1、ボタンBがボタン2、ボタンAとBの同時押しがボタン3の学習内容を送信するものです。
このプログラムを参考にして、暗くなったら照明器具を点灯したり、寒くなったらエアコンで部屋を暖めるプログラムを作ってみましょう。