LEDを点灯させる【Lピカ】

micro:bitを使った電子工作のファーストステップとしてLEDをピカッと光らせる、通称Lピカを紹介します。
3-1-1.できること
micro:bitを使った電子工作のファーストステップとして紹介するのは、外部に接続したLED(発光ダイオード)をピカッと点灯させる、通称「Lピカ」です。ハンダ付け不要のプロトタイピングセット(KITRONIK-5609)を使って、赤色のLED1個を光らせます。
3-1-2.用意するもの
表3-1-2-1は、この電子工作に必要な部品などの仕様・定格です。このほかに、プログラミングするためのパソコン・USBケーブルなどが必要です。
品名 | 数量 | 仕様・定格など |
---|---|---|
micro:bit本体 | 1 | |
プロトタイピングセット | 1 | KITRONIK-5609 |
LED(赤色) | 1 | 砲弾型、直径3ミリ(または5ミリ)、順方向電圧2.0V程度、制限電流20mA程度 |
抵抗器 | 1 | カーボン抵抗、330Ω(橙橙茶金)、1/2W(または1/4W) |
ジャンプワイヤー(オス-メス) | 2 | KITRONIK-5609に付属 |
プロトタイピングセットとは、ブレッドボードとmicro:bitのエッジコネクターをピンヘッダーに変換する基板が一つになった製品で、micro:bitを使った電子工作がハンダ付けなしで簡単に始められます。
プロトタイピングセットには、必要なジャンプワイヤーが付いてきます。Lピカの電子回路では、オス-メス2本を使います。
3-1-3.作る前に
micro:bitに何かプログラムが入っていると、想定外の動きをするかもしれません。「何もしない」プログラムをダウンロードして、micro:bitに送っておきましょう。
3-1-4.作り方
では、早速作ってみましょう。まず、部品がすべて揃っていることを確認したら、プロトタイピングセットのブレッドボードが手前になるように置きます。このブレッドボード上に部品を並べて、Lピカの電子回路を作っていきます。
ブレッドボードにLEDを挿します。LEDには向き(極性)があるので注意してください。ブレッドボードの「4H」にLEDの長い足(アノード側)を挿します。
抵抗器の足(リード線)を直角に折り曲げ、ブレッドボードに挿します。抵抗器に極性はありませんが、色帯(カラーコード)の向きを合わせておくと、複数の抵抗器が並んだ時にきれいに見えます。図3-1-4-3では、左から右に向かって色帯(カラーコード)が読み取れるようになっています。
micro:bitのエッジコネクター「0」と、LEDを接続します。接続に必要なオスーメスのワイヤーはプロトタイピングセットに付属しています。何色を使っても問題ありません。
同様に、エッジコネクター「GND(0V)」と、抵抗器を接続します。これで回路は完成です。
もう一度、回路に間違いがないか確認しましょう。
3-1-5.プログラミング(ブロック)
3-1-6.プログラミング(Javascript)
Javascript(テキスト)のサンプルプログラムです。
1 2 3 | basic.forever(() => { pins.digitalWritePin(DigitalPin.P0, 1) }) |
3-1-7.動かしてみよう
3-1-8.解説
図3-1-8-1は、Lピカの電子回路を図記号で表した回路図です。端子P0→LED→抵抗器→GNDという順に繋がっています。抵抗器は、LEDの電流を制限するためのものです。
では、LEDの電流はどのように決めるのでしょうか。ポイントは二つあります。
一つ目のポイントは、LEDの制限電流です。今回使用したLEDは、制限電流が20mAのものですが、比較的ばらつきも多く、上限いっぱいでは使用しません。通常は制限電流の50%~70%程度で使用されることが多く、ここでは半分の10mAとします。
二つ目のポイントは、micro:bitの端子から供給できる電流(ソース電流)の最大値です。このソース電流を超えると、場合によっては動作が不安定になるため、必ず最大値以下で使用しなければなりません。micro:bitの一つの端子から供給できる最大ソース電流は5mAです。
LEDの制限電流と最大ソース電流を比較して、小さい方がLEDの電流となります。今回は、最大ソース電流のほうが小さいため、電流は5mA以下となります。
なお、エッジコネクターに関する詳しい内容は、Edge Connector Data Sheet(micro:bit:developer community)に記載されています。
プログラムで、端子P0にデジタル信号「1」を出力すると、約3Vの電圧で電気が流れます。LEDの順方向電圧が約2Vのため、抵抗器にかかる電圧は約1V、抵抗値が330Ωであることから、オームの法則により1V÷330Ω=約3mAの電流となります。この値は、LEDの制限電流および最大ソース電流より小さいため、安全にLEDを光らせ、かつ、micro:bitの安定した動作が期待できます。
オームの法則やLEDの順方向電圧・制限電流などは、電子工作[超]入門Lab.の「3-1.LEDを光らせる【Lピカ】」で詳しく解説しています。ぜひ、ご覧ください。
micro:bit関連のおすすめ品
micro:bitのエッジコネクターをピンヘッダーに変換するエッジコネクターピッチ変換基板と、ブレッドボードが一つになった製品です。付属のジャンパーワイヤーを使用することで、手軽に回路の実験ができます。