MicroPython(マイクロパイソン)
micro:bitでは、MakeCodeエディターを使ったブロックとJavaScriptの他に、MicroPython(マイクロパイソン)を使ったプログラミングが行えます。
10-1-1.もう一つのプログラミング言語
micro:bitでは、MakeCodeエディターを使うことで、ブロックを選んでつなげるだけの簡単な操作でプログラミングが行えます。図10-1-1-1は、micro:bitのLED画面に「Hello,world!」を繰り返し表示するプログラムです。
また、MakeCodeエディターの上部にある「JavaScript」というボタンをクリックすると、JavaScript(ジャバスクリプト)というプログラミング言語を使ったプログラミングが行えます。ブロックとJavaScriptはいつでも双方向に切り替えることができます。
MicroPython(マイクロパイソン)
micro:bitで使えるプログラミング言語は、MakeCodeエディターを使ったブロックとJavaScriptだけではありません。他にもさまざまなプログラミング言語(開発環境)があり、その中のひとつがMicroPython(マイクロパイソン)です。
10-1-2.MicroPythonとは
MicroPythonは、Python 3というプログラミング言語をベースに開発されたもので、マイクロコントローラーという制限された環境で動作することを目的として最適化されたインタプリターです。最小限のPython標準ライブラリーとMicroPython固有のライブラリーに加えて、MicroPythonが動作するマイクロコントローラーに合わせて、そのハードウェアを操作する固有のライブラリーが用意されています。
現在、複数のマイクロコントローラーでMicroPythonがサポートされており、micro:bitもそのひとつです。micro:bit固有のライブラリーを使うことで、micro:bitのLED画面に文字を表示したり、あらかじめ搭載されている加速度センサーや地磁気センサー(コンパス)を使うことができます。表10-1-1-1は、地磁気センサー(コンパス)の値を読み取って、LED画面に表示する例です。
10-1-3.MicroPythonの開発環境
MicroPythonの主な開発環境(エディター)には「Pythonエディター」と「Muエディター」の2種類があります。
Pythonエディター
Pythonエディターは、micro:bit教育財団のウェブサイトからアクセスできる標準のオンラインエディターです。Downloadボタンをクリックすると、hexファイルがダウンロードされるので、それをmicro:bitへ転送します。
Muエディター
Muエディターは、Code with Muのウェブサイトからダウンロードしてインストールするオフラインエディターです。micro:bitのMicroPythonだけでなく、標準Python 3やAdafruitのCircuitPythonなどもサポートしています。
Muエディターが、micro:bitのUSB接続を自動認識するので、転送ボタンをクリックするだけで、プログラムがmicro:bitへ転送されます。これはとても便利です。また、構文のチェック機能や対話式の実行機能(REPL)などがあり、とても使いやすいエディターです。
Muエディターのインストール方法を「10-2.Muエディターのインストール」で解説しています。
10-1-3.日本語ドキュメント
micro:bitのMicroPythonは「BBC micro:bit MicroPython ドキュメンテーション」で詳しく解説されています。このウェブサイトで推奨している開発環境はMuエディターです。
Pythonの関連書籍
BBC micro:bit 27 Projects For Students Level 3 - MicroPython Projects (English Edition)
- 出版社
- Dogan Ibrahim
- 発売日
- 2016/8/22