micro:bit(マイクロビット)とは

教育用として開発された小型のコンピューターボードであるmicro:bit(マイクロビット)の特徴と使い方を紹介します。
1-1-1.micro:bit(マイクロビット)って何だろう
micro:bit(マイクロビット)は、イギリスの公共放送局であるBBC(英国放送協会/British Broadcasting Corporation)が中心となって開発した教育用の小型コンピューターボードです。およそ4cm×5cmのプリント基板の前面には、中央に5列×5列(合計25個)の赤色LED・左右に1個ずつ(合計2個)のボタン(タクトスイッチ)を搭載しています。下部には、3つの入出力リング(0~2)・外部に電源を供給するリング(3V/GND)があります。また、リングの間には、20ピンのエッジコネクターがあり、I2CやSPIによるシリアル通信など、さらに高度な機能が引き出せます。
背面には、32ビットARM Cortex-M0ベースのプロセッサー・三軸加速度センサー・地磁気センサー(コンパス)を搭載しています。また、IoTで使われる無線通信規格の一つであるBLE(Bluetooth Low Energy)に対応しています。電源は、USB2.0マイクロBコネクターにパソコンやモバイルバッテリーを接続するか、電源用コネクターに電池2個(3V)を接続します。
BBC micro:bitを構成する全てのビットと部品たち(micro:bit教育財団)
そもそも、micro:bitは、BBCが子ども向けのプログラミング教育を目的として作ったもので、現在、その教育の推進は、micro:bit教育財団(Micro:bit Educational Foundation)が担っています。財団は、イギリスで設立された非営利団体(NPO)で、BBCに加えて、ARM・Amazon.com・British Council(英国文化振興会)・IET(英国工学技術学会)・Lancaster University(ランカスター大学)・Microsoft・Nominet UK・Samsung Electronicsが創立パートナーとして参加、事業をサポートしています。
2016年、イギリスでは、11歳~12歳の子ども約100万人に無償提供され、学校の授業で活用しています。そして、2017年8月に日本上陸。財団は、2020年までに30万人の日本の子どもたちにmicro:bitを届けることを目標にしています。
財団のゴールは2020年までに30万人の日本の子どもたちにmicro:bitを届けることです。
小型ボード型コンピューターmicro:bitが日本上陸
1-1-2.micro:bit(マイクロビット)で何ができるの
micro:bit(マイクロビット)で何ができるのでしょうか。micro:bit教育財団のページには、次のように書かれています。
micro:bitは、単純な図や文字を表示するための25個の赤色LED、2つのプログラムできるボタンスイッチ、各種センサーを搭載し、Bluetoothを介して他のデバイスと接続することができます。加えて、デバイスの端にある端子を使って他のハードウェア・モジュールへの簡単な拡張を可能にし、デバイスの創造的な可能性を高めることができます。
小型ボード型コンピューターmicro:bitが日本上陸
ブロックベースとテキストベースのプログラミングを相互に切り替えられるJavaScriptブロックエディターや、Python、有名なブロックベースのプログラミング言語であるScratchを使ってデバイスをプログラムすることができます。
小型ボード型コンピューターmicro:bitが日本上陸
世界中の子どもたちが学校やクラブ、家庭において技術や発明で創造性を発揮することを可能にします。
小型ボード型コンピューターmicro:bitが日本上陸
micro:bit(マイクロビット)は、子ども向けのプログラミング教育用に作られたマイコンです。図形や文字が表示できる5列×5列(合計25個)の赤色LEDや三軸加速度センサー・地磁気センサー(コンパス)などは、これからプログラミングを始めようとする子どもの好奇心を刺激するには十分な機能です。また、プログラミングは、ウェブブラウザで使用できる日本語化されたブロックエディターが無料で提供され、動作が書かれたブロックを並べるだけで、プログラミングが行えます。
図1-1-2-1は、ブロックエディターでプログラミングした例です。25個の赤色LEDに「Hello,world!」を表示するものです。使ったブロックは「ずっと」と「文字列を表示」の2個のみ。エディターには、シミュレーターが表示されているので、動作をすぐに確認することができます。もちろん、micro:bit(マイクロビット)にプログラムを転送するのも簡単です。
また、エディター画面上部にあるボタンでブロックとテキスト(JavaScript)を切り替えることができます。ブロックに慣れ、次のステップに進みたくなったら、テキストでのプログラミングに挑戦できます。もちろん、ブロックとテキストはいつでも切り替えられるので、もしテキストで悩んでも自ら解決の糸口を見つけられます。
さらに、プログラミング能力を向上させたくなったら、Pythonエディターが用意されています。このように、ブロックエディターを入り口にして、ステップアップできるプログラミング環境が提供されています。
ブロックエディターは、micro:bit(マイクロビット)本体がなくても使用が可能で、作ったプログラムはシミュレーターで動作確認ができます。
プログラムで想像力を発揮しましょう。(micro:bit教育財団)
25個の赤色LED・2個のボタン・三軸加速度センサー・地磁気センサー(コンパス)・BLE(Bluetooth Low Energy)など、micro:bit(マイクロビット)に搭載された機能だけでも、あなたの想像力を発揮することで、おもしろいガジェットを創造することができます。
しかし、micro:bit(マイクロビット)本体の機能だけで満足できなくなったら?大丈夫です。micro:bit(マイクロビット)には、3つのリングと強力な20ピンのエッジコネクターが搭載されています。3つのリングには、GPIO(汎用入出力)とアナログの電圧値を読み取るADコンバーターの機能があります。また、エッジコネクターには、GPIOとADコンバーターに加えて、I2CやSPIなどのシリアル通信の機能があります。これらのリングやエッジコネクターを使って、センサーを接続したり、外部の装置と通信することで、さらに可能性が広がります。
その他にも、micro:bit(マイクロビット)でサーボモーターを制御する2輪走行するロボットのキットやウェアラブルにできるバッテリーケースなど、さまざまな専用キットが販売されています。
始めるときの敷居は低く、理解が進めば可能性は無限大に広がる、そんなマイコンです。
1-1-3.どうやって手に入れる
1-1-4.micro:bit関連のおすすめ品
身の回りの物で簡単に作れて、たのしくあそべる作例が32も収録されています。マイクロビットの基本的な使い方から、通信編・上級編まで、この一冊におまかせ!
micro:bitにはじめて触れる小学校高学年以上を対象に、ハードウェアの基本からプログラミングのしかた、さまざまな作品の作り方までをていねいに解説しています。親子で学ぶプログラミングとエレクトロニクスの入門書にぴったりの一冊です。
micro:bitではじめるプログラミング ―親子で学べるプログラミングとエレクトロニクス (Make:PROJECTS)
- 著 者
- スイッチエデュケーション編集部
- 出版社
- オライリージャパン
- 発売日
- 2017/11/25
【導入編】micro:bitを、マイちゃんとビットくんと一緒に楽しく学びます。小学生以上が対象で、暗くなるとお化けが出る装置・体感温度を表する装置・テルミング風の楽器・イライラ棒・バランスボードゲームなどが紹介されています。
【通信編】micro:bitを、マイちゃんとビットくんと一緒に楽しく学びます。小学生以上が対象で、モールス通信機・早押しプログラム・宝探し(フォックスハンティング)・防犯装置・離れた所の温度変化を自動記録などが紹介されています。