Raspbian OSをインストールする

Raspberry Pi 3 Model B+のシステムを起動するためのmicroSDメモリーカードに、Raspbian OSをインストールする手順を紹介します。
2020年3月に新しいインストール用ツール「Raspberry Pi Imager」がリリースされました。これに伴い、OSの名称が「Raspbian OS」から「Raspberry Pi OS」に変更されました。新しいインストール手順は「12-6.Raspberry Pi OSをインストールする」をご覧ください。
12-1-1.準備するもの
microSDメモリーカード
Raspberry Pi 3 Model B+のカードスロットに差し込んで、システムを起動するためのmicroSDメモリーカードを用意します。このmicroSDメモリーカードへシステムの起動に必要なRaspbian OSをインストールします。容量は16GB以上がおすすめです。
Raspbian OSがインストール済みのmicroSDメモリーカードが販売されています。そのようなmicroSDメモリーカードを使うと、本記事のインストール手順は不要です。
インターネットへ接続されたパソコン
microSDメモリーカードへRaspbian OSをインストールするには、Raspberry Pi財団のウェブサイトから、インストール用のイメージファイルをダウンロードするためのパソコンが必要です。また、microSDメモリーカードをフォーマットしたり、イメージファイルを書き込むためのソフトウェアもダウンロードします。手順は後述します。
カードリーダー
microSDメモリーカードに対応したカードリーダーを用意します。パソコンに内蔵されている場合は不要です。
12-1-2.Raspbian OSのインストール
microSDメモリーカードへ、システムの起動に必要なRaspbian OSをインストールするには、次の(1)~(3)の手順を順番に進めます。
- Raspbian OSイメージファイルのダウンロード
- microSDメモリーカードのフォーマット
- microSDメモリーカードへイメージファイルの書き込み
(1)Raspbian OSイメージファイルのダウンロード
Raspberry Pi財団のウェブサイトで公開されているダウンロードページ「Download Raspbian for Raspberry Pi」へアクセスします。ダウンロードできるイメージファイルには3種類あり、インストールによって構築される環境や付属のソフトウェアの種類が異なります。
- Raspbian Buster Lite
- Raspbian Buster with desktop
- Raspbian Buster with desktop and recommended software
Raspbian Buster Liteは、サーバー利用などを目的としたもので、デスクトップ環境(グラフィカルな操作画面)がインストールされない最小構成版です。Raspbian Buster with desktopは、グラフィカルな操作ができるデスクトップ環境と重要なソフトウェアがインストールされている標準版です。Raspbian Buster with desktop and recommended softwareは、さらにおすすめソフトウェアがインストールされている全部入り版です。
本記事では、Raspbian Buster with desktop and recommended softwareをダウンロードします。ダウンロードページで、Raspbian Buster with desktop and recommended softwareの「Download ZIP」をクリックします。
ダウンロードするイメージファイルは、ZIP形式の圧縮ファイルですが、解凍は不要なのでそのまま保存します。イメージファイルのファイル名は、YYYY-MM-DD-raspbian-buster-full.zipです。YYYY-MM-DDはリリース日です。
イメージファイルのダウンロードには少し時間がかかります。ダウンロードの待ち時間に、次のステップ「microSDメモリーカードのフォーマット」へ進みます。
(2)microSDメモリーカードのフォーマット
ダウンロードしたイメージファイルを書き込むために、microSDメモリーカードをあらかじめフォーマットします。フォーマットには、専用のソフトウェア「SD Memory Card Formatter」を使用します。
SDアソシエーションのウェブサイトで公開されているダウンロードページ「SDメモリーカードフォーマッター」へアクセスします。SDアソシエーションは、メモリカードのストレージに関する規格の策定と普及のために設立された業界団体です。
本記事では、Windows版をダウンロードします。ダウンロードページで「Windows版ダウンロード」をクリックします。
次のページで「エンドユーザーライセンス契約」の画面が表示されるので、内容を確認して「同意します」をクリックします。ダウンロードするファイル名は、SDCardFormatterv5_WinJP.zipです。ZIP形式の圧縮ファイルなので、ダウンロードが完了したら解凍します。
解凍後、セットアップファイル「SD Card Formatter 5.0.1 Setup JP.exe」を実行します。画面の指示通りに進めて、SD Memory Card Formatterのインストールを完了します。
microSDメモリーカードをカードリーダーに挿入して、SD Memory Card Formatterを起動します。microSDメモリーカードのドライブ名が正しいことを確認して「フォーマット」をクリックします。
すべてのデーターが消去される旨のメッセージが表示されるので、もう一度ドライブ名を確認して「はい」をクリックします。
フォーマットが正常に終了したことを確認して「OK」をクリックします。
これで、microSDメモリーカードのフォーマットが完了です。microSDメモリーカードを、カードリーダーに挿入したまま、次のステップ「microSDメモリーカードへイメージファイルの書き込み」へ進みます。
(3)microSDメモリーカードへイメージファイルの書き込み
イメージファイルのダウンロードが完了していることを確認してください。ダウンロードしたイメージファイルを、フォーマット済みのmicroSDメモリーカードへ書き込みます。書き込みには、専用のソフトウェア「balenaEtcher」を使用します。
balenaによるオープンソースプロジェクトのウェブサイトで公開されているダウンロードページ「balenaEtcher」へアクセスします。
本記事では、Windows版をダウンロードします。ダウンロードページで「Download for Windows (x86|x64)」をクリックします。
ダウンロードするファイル名は、balenaEtcher-Setup-xx.xx.xx.exeです。xx.xx.xxはバージョン番号です。exe形式の実行ファイルなので、ダウンロードが完了したらそのまま実行します。画面の指示通りに進めて、balenaEtcherのインストールを完了します。
インストール後、balenaEtcherが自動的に起動します。
まず、左側の「Select image」をクリックして、ダウンロードしたRaspbian OSのイメージファイルを選択します。
次に、中央の「Mass Stor...SB Device」の部分にマウスカーソルを合わせて、表示されるドライブ名を確認します。
ドライブ名が正しいことを確認したら、右側の「Flash!」をクリックします。
イメージファイルの書き込みが完了するまで、しばらく待ちます。
画面に「Flash Complete!」が表示されると完了です。
以上で、microSDメモリーカードへのRaspbian OSのインストールは完了です。「12-2.自分専用のパソコンを組み立てる」へ進みましょう。
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