LEDを順番に光らせる【信号機】
micro:bitを使って、3つのLED(緑色・黄色・赤色)を順番に光らせる「信号機」を紹介します。
3-4-1.できること
「3-1.LEDを点灯させる【Lピカ】」で作成した電子回路の応用として、外部に接続するLEDを3つに増やして、micro:bitで制御する「信号機」を作ります。これまでと同じく、ハンダ付け不要のプロトタイピングセット(KITRONIK-5609)を使って、緑色・黄色・赤色のLEDを順番に光らせます。
3-4-2.用意するもの
表3-4-2-1は、この電子工作に必要な部品などの仕様・定格です。このほかに、プログラミングするためのパソコン・USBケーブルなどが必要です。
品名 | 数量 | 仕様・定格など |
---|---|---|
micro:bit本体 | 1 | |
プロトタイピングセット | 1 | KITRONIK-5609 |
LED(緑色) | 1 | 砲弾型、直径3ミリ(または5ミリ)、順方向電圧2.0V程度、制限電流20mA |
LED(黄色) | 1 | 砲弾型、直径3ミリ(または5ミリ)、順方向電圧2.0V程度、制限電流20mA |
LED(赤色) | 1 | 砲弾型、直径3ミリ(または5ミリ)、順方向電圧2.0V程度、制限電流20mA |
抵抗器 | 3 | カーボン抵抗、330Ω(橙橙茶金)、1/2W(または1/4W) |
ジャンプワイヤー(オス-メス) | 4 | KITRONIK-5609に付属のもの |
ジャンプワイヤー(オス-オス) | 3 | 適当な長さのもの(単線タイプが使いやすい) |
プロトタイピングセットとは、ブレッドボードとmicro:bitのエッジコネクターをピンヘッダーに変換する基板が一つになった製品で、micro:bitを使った電子工作がハンダ付けなしで簡単に始められます。
プロトタイピングセットには、必要なジャンプワイヤーが付いてきます。
ジャンプワイヤーは、ブレッドボード上に配線を行うためのリード線です。
サンハヤト ジャンプワイヤーキット SKS-140 単線タイプのワイヤーのセット品
簡単に抜き挿しができるブレッドボードのベストパートナー。単線タイプのジャンプワイヤーセット。セット内容:14種類×各10本=合計140本
3-4-3.作る前に
micro:bitに何かプログラムが入っていると、想定外の動きをするかもしれません。「何もしない」プログラムをダウンロードして、micro:bitに送っておきましょう。
3-4-4.作り方
では、早速作ってみましょう。まず、部品がすべて揃っていることを確認したら、プロトタイピングセットのブレッドボードが手前になるように置きます。このブレッドボード上に部品を並べて、信号機の電子回路を作っていきます。
ブレッドボードに緑色LEDを挿します。LEDには向き(極性)があるので注意してください。ブレッドボードの「4H」にLEDの長い足(アノード側)を挿します。
抵抗器の足(リード線)を直角に折り曲げ、ブレッドボードに挿します。抵抗器に極性はありませんが、色帯(カラーコード)の向きを合わせておくと、複数の抵抗器が並んだ時にきれいに見えます。図3-4-4-3では、左から右に向かって色帯(カラーコード)が読み取れるようになっています。
ジャンプワイヤーを使って、抵抗器とブレッドボードの電源ライン(マイナス)を接続します。
同様に、黄色LEDと赤色LEDの回路を作ります。
micro:bitのエッジコネクター「0」と緑色LED、「1」と黄色LED、「2」と赤色LEDを接続します。接続に必要なオスーメスのワイヤーはプロトタイピングセットに付属しています。何色を使っても問題ありません。
最後に、エッジコネクター「GND(0V)」と、ブレッドボードの電源ライン(マイナス)を接続します。これで回路は完成です。
もう一度、回路に間違いがないか確認しましょう。
3-4-5.プログラミング(ブロック)
3つのLEDを順番に点灯させるサンプルプログラムです。
ずっと実行されるプログラム
端子P0(緑色LED)→端子P1(黄色LED)→端子P2(赤色LED)の順に、デジタル信号「1」→「0」を出力します。一時停止の値は、各LEDを点灯させておく時間です。
3-4-6.プログラミング(Javascript)
Javascript(テキスト)のサンプルプログラムです。
3-4-7.動かしてみよう
プログラムが完成したら動かしてみましょう。LEDが緑色→黄色→赤色の順番に点灯すれば成功です。
3-4-8.解説
図3-4-8-1は、信号機の電子回路を図記号で表した回路図です。端子P0→緑色LED→抵抗器→GND・端子P1→黄色LED→抵抗器→GND・端子P2→赤色LED→抵抗器→GNDという順に繋がっています。抵抗器の役割や、抵抗値(330Ω)の求め方については「3-1.LEDを点灯させる【Lピカ】」をご覧ください。
なお、エッジコネクターに関する詳しい内容は、Edge Connector Data Sheet(micro:bit:developer community)に記載されています。
また、オームの法則やLEDの順方向電圧・制限電流などは、電子工作[超]入門Lab.の「3-1.LEDを光らせる【Lピカ】」で詳しく解説しています。ぜひ、ご覧ください。
micro:bit関連のおすすめ品
micro:bitのエッジコネクターをピンヘッダーに変換するエッジコネクターピッチ変換基板と、ブレッドボードが一つになった製品です。付属のジャンパーワイヤーを使用することで、手軽に回路の実験ができます。