micro:Maqueenをテレビ用リモコンで制御する
NECフォーマットに準拠した赤外線リモコン(テレビ用リモコン)を使って、micro:Maqueenを制御(前進・後進・左回転・右回転・停止)する方法を紹介します。
5-19-1.NECフォーマットに準拠した赤外線リモコン
micro:maqueen Lite
DFROBOTのmicro:Maqueen Liteは、独立した二つの駆動輪を持つSTEAM教育用のプログラミングロボットです。別売りのmicro:bitを搭載することで、駆動輪などをプログラミングで制御することができます。
IR(赤外線)受信モジュール
テレビやエアコンなどの家電製品を無線で遠隔操作する仕組みとして、赤外線リモコンがよく使われています。これらの赤外線リモコンは、900nm帯の赤外線をキャリア(搬送波)として使用するもので、その通信フォーマットには、NEC・SONY・AEHA(家電協)などがあります。
micro:Maqueenには、IR(赤外線)受信モジュールが搭載されており「NECフォーマット」に準拠した赤外線信号を解析する(データーコードを取得する)ことができます。
NECフォーマットに含まれる情報(カスタムコード・データーコードなど)については「赤外線リモコン(NECフォーマット)」で詳しく紹介しています。
テレビ用リモコン
本記事では、赤外線リモコンとしてテレビ用リモコンを使用した制御方法を紹介します。使用するテレビ用リモコンはELPAの「スリムリモコン(RC-TV013UD)」です。主要なメーカー18社に対応しており、ボタン操作にて切り替えることができます。動作距離(赤外線の到達距離)は、約7メートルです。コイン型リチウム電池(CR2032)1個で動作しますが、別売りなので別途用意します。
上記以外のリモコンでも、NECフォーマットに準拠したものであればmicro:Maqueenを制御することができます。お手持ちのリモコンが、NECフォーマットに準拠しているかどうか判断するには、次の「データーコードを確認する」を参考にしてください。
5-19-2.データーコードを確認する
micro:Maqueenでは、IR(赤外線)受信モジュールで受信した赤外線信号(NECフォーマット)を解析して、データーコードを取得することができます。データーコードは、リモコンのボタンごとに固有の値(0~255)が割り当てられており、その値はメーカーごとに異なっています。本記事では、リモコンのカーソルボタン(上・下・左・右・決定)を使うものとして、その値を確認します。
リモコンのメーカーを設定する
スリムリモコン(RC-TV013UD)は、主要メーカー18社に対応しています。このうち、NECフォーマットに準拠した設定に変更しなければなりません。本記事で使用したのは「東芝(メーカーコード:1442)」です。
電源ボタンを長押しした後、赤色LEDの点灯を確認して、メーカーコード「1442」を順に押します。赤色LEDが1秒間点灯したら設定完了です。詳しくは取扱説明書でご確認ください。
メーカーコード一覧表
ELPA スリムリモコン(RC-TV013UD)取扱説明書
データーコードの確認用プログラムを作る
IR(赤外線)受信モジュールで受信した赤外線信号(NECフォーマット)を解析して、データーコードを表示するプログラムを作成します。MakeCode for micro:bitを立ち上げて、拡張機能「maqueen」を追加します。追加された拡張機能に「IRコードを受信したとき」ブロックがあるので、以下のプログラムを作成します。
このブロックは、赤外線信号(NECフォーマット)を受信したとき、解析を行い、データーコード(IRコード)を変数「message」にセットします。変数「message」をLED画面に表示しているので、リモコンのボタンを押すことでデーターコードを確認できます。リモコンが、NECフォーマットに準拠していない場合は、何も表示されません。
データーコードを確認する
プログラムをmicro:bitにダウンロード後、micro:Maqueenの電源をオンにします。リモコンのボタンを押してみましょう。LED画面に数字が表示されたら成功です。では、リモコンのカーソルボタン(上・下・左・右・決定)のデーターコードを確認しましょう。データーコードは、上が「62」・下が「63」・左が「95」・右が「91」・決定が「61」でした。
5-19-3.micro:Maqueenをテレビ用リモコンで制御する
カーソルボタン(上・下・左・右・決定)のデーターコードが確認できたので、それぞれのボタンを押したときに、micro:Maqueenが前進・後進・左回転・右回転・停止するように制御します。プログラムは次の通りです。
JavaScriptです。
プログラムが完成したら、micro:bitにダウンロードして、動作を確認しましょう。
ボタンを押すタイミングによっては、取りこぼすことがあるので、2~3回連打するのがよさそうです。リモコンには、ボタンがたくさんあるので、さまざまな制御に使えます。例えば、カラーボタン(青・赤・緑・黄)を押したときに、同じ色でフルカラーLEDを点灯させると楽しいかも!