micro:bitを構成する部品(前面)
micro:bit(マイクロビット)の前面に取り付けられた部品の特徴を紹介します。
2020年11月、micro:bitの新しいバージョンであるmicro:bit V2の国内販売が始まりました。micro:bit V2で追加された機能などについては「付録1-9.micro:bit V2の変更点」をご覧ください。
1-2-1.実機で構成する部品をみる(前面)
micro:bit(マイクロビット)は、およそ4cm×5cmのプリント基板にさまざまな部品が収められた小型のコンピューターボードです。micro:bitの前面に取り付けられた部品を実機でみてみましょう。
図1-2-1-1が、micro:bitの前面です。前面には、中央に5列×5列(合計25個)の赤色LED・左右に1個ずつ(合計2個)のボタンを搭載しています。下端には、5つのリングと、その周辺に20ピンのエッジコネクターがあります。
micro:bitのボディーカラーには、青色・緑色・黄色・赤色などがあります。図1-2-1-1のボディカラーは青色です。
1-2-2.25個の赤色LED(LED画面)
前面の中央に5列×5列(合計25個)の赤色LEDがあります。プログラムで指定した文字・数字・図形を表示します。複数の文字・数字などを指定した場合は、スクロールして表示されます。また、横方向と縦方向の座標を指定して、オン・オフしたり、明るさの設定もできます。
さらに、このLED画面には、明るさセンサーとしての機能があり、明るさを測定することができます。
表示できる文字・数字は、スペースと!"#$%&'()*+,-./0123456789:;<=>?@ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ[\]^_`abcdefghijklmnopqrstuvwxyz{|}~です。これは、アスキーコードの32(スペース)と33~126(印刷可能文字)に該当します。
図形には、ハート・矢印などのあらかじめ登録された「アイコン」と、LEDのオン・オフを自由に設定できる「画像」があります。
カタカナを表示させることができるmicro:bit用日本語カタカナフォントを作りました。図1-2-2-2は、LED画面に「ワタシハ、マイクロビットデス。」を表示させた例です。
1-2-3.2個のボタン
左右に1個ずつ(合計2個)のボタンがあります。左側にあるボタンをボタンA、右側にあるボタンをボタンBと呼びます。
プログラムでは、それぞれのボタンが個別に押されているかどうか、また、ボタンAとボタンBが同時に押されたことを検知できます。
このボタンは、タクトスイッチと呼ばれる部品で、押し込んだ時のクリック感が特徴です。押し込むと回路がオンになり、離すとオフに戻ります。
1-2-4.リング
下端には、5つのリングがあります。左から、P0端子・P1端子・P2端子・3V端子・GND端子と呼びます。この端子は、ワニグチクリップ・4mmバナナクリップを使って、外部と接続することができます。
P0端子・P1端子・P2端子
P0端子・P1端子・P2端子は、プログラムから制御できる汎用の入出力端子(GPIO:General Purpose Input/Output)です。これらの端子にかかる電圧を、0または1として読み取ったり、0または1を設定して出力することができます。また、3つの端子は、アナログ電圧値を計測できる10ビット分解能(1024段階)のADコンバーター(ADC)の機能を持っています。これによって、端子にかかる電圧を、0~1023の値(0~3.3Vの意味)として読み取ることができます。
さらに、各端子は、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)信号を出力することができます。これによって、端子に接続したスピーカーへ音階を出力したり、サーボモーターを制御することが可能です。
3V端子
3V端子は、電源出力または電源入力として動作します。USBまたは電池によって、micro:bitへ電源供給が行われている場合、V3端子から外部へ電源を出力することができます。電源供給が行われていない場合、V3端子からmicro:bitへ電源を入力することができます。
GND端子
外部の回路を閉じるためのグランドです。
1-2-5.エッジコネクター
下端のリング周辺に、エッジコネクターと呼ばれる、細長い端子があります。micro:bitの製品上に番号は記されていませんが、左から、3番~22番の合計20ピンあります。
エッジコネクターの端子には、1-2-4.リングで紹介した汎用入出力(GPIO)・ADコンバーター(ADC)・パルス幅変調(PWM)以外に、UART・SPI・I2Cなどの機能があります。UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)は、調歩同期(非同期)方式のシリアル通信、SPI(Serial Peripheral Interface)・I2C(Inter Integrated Circuit)は、同期式のシリアル通信です。
表1-2-5-1は、各端子に割り当て可能な機能の一覧です。表中のLED Col1などは、初期状態で有効な機能です。例えば、端子8は、初期状態で入力方向のGPIOが有効になっています。共有欄に別の機能が書かれている端子は、その機能と内部的に共有されているために、使用には注意が必要です。
端子番号 | 機能 | 初期方向 | 共有 |
---|---|---|---|
3 | GPIO、ADC、PWM、UART | 出力 | LED Col1 |
4 | GPIO、ADC、PWM、UART | 出力 | LED Col2 |
5 | GPIO、PWM、UART | 入力 | ボタンA |
6 | GPIO、PWM、UART | 出力 | LED Col9 |
7 | GPIO、PWM、UART | 出力 | LED Col8 |
8 | GPIO、PWM、UART | 入力 | |
9 | GPIO、PWM、UART | 出力 | LED Col7 |
10 | GPIO、ADC、PWM、UART | 出力 | LED Col3 |
11 | GPIO、PWM、UART | 入力 | ボタンB |
12 | GPIO、ACCESS、PWM、UART | 入力 | |
13 | GPIO、PWM、UART、SPI(SCK) | 入力 | |
14 | GPIO、PWM、UART、SPI(MISO) | 入力 | |
15 | GPIO、PWM、UART、SPI(MOSI) | 入力 | |
16 | GPIO、PWM、UART、SPI(SS) | 入力 | |
17 | 3V | ||
18 | |||
19 | GPIO、PWM、UART、I2C(SCL) | 出力 | |
20 | GPIO、PWM、UART、I2C(SDA) | 入力 | |
21 | GND | ||
22 |
詳しい内容は、Edge Connector Data Sheet(micro:bit:developer community)に記載されています。
1-2-6.micro:bit関連のおすすめ品
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