ユーレカ工房 i:oエデュケーションバージョン
教育現場向けに機能を限定して、価格を抑えながらも、拡張性を備えたユーレカ工房の「i:oエデュケーションバージョン」を紹介します。
8-8-1.ユーレカ工房 i:oエデュケーションバージョン
サヌキテックネットでは、小学校のプログラミング教育に活用できるコンピューターとして、すでに授業で使用している教材(例えば、豆電球やプロペラ付きのモーターなど)と組み合わせて使えるmicro:bitの魅力をお伝えしてきました。
「8-6.教材とmicro:bitでできること」では、教材とmicro:bitを組み合わせるのに欠かせないものとして「プログラム制御スイッチ」という拡張ボードを紹介しました。拡張ボードは、豆電球を点灯させるためのスイッチとしての役割や、人の動きに反応するセンサーなど、その選び方によって搭載するセンサーや機能が大きく異なります。その結果、どのような種類の拡張ボードがあり、どの授業(単元)で使えるのかわかりづらいと言う声が現場から聞こえていました。
i:oエデュケーションバージョン
そんな悩みを解決してくれるのが、教育現場向けに機能を限定して、価格を抑えながらも、拡張性を備えた拡張ボードとして開発されたのが、ユーレカ工房の「i:oエデュケーションバージョン」です。通称「イーオ」と呼ばれています。
i:oエデュケーションバージョンは、第6学年における理科の単元「電気の利用」で活用できるように、あらかじめ「人感センサー」と豆電球などの外部回路をオン・オフできる「プログラム制御スイッチ(リレー)」を搭載しています。
図8-8-1-2は、人感センサーとプログラム制御スイッチを使って「トイレの照明」の動作を再現するものです。人の動きに合わせて、プログラム制御スイッチ(リレー)につないだ豆電球の回路をオン・オフするようにプログラミングしています。人の動きを検知して、豆電球を点灯しているようすです。センサーによる電気の有効利用を学習することができます。なお、実際のプログラムは、記事の後半に掲載しています。
このように、i:oエデュケーションバージョンは、小学校における理科の単元を中心として、さまざまな教科に活用できます。以下は、ユーレカ工房による活用可能な単元の例です。
ユーレカ工房 i:oエデュケーションバージョン カタログより
- 小3:理科「電気の通り道(豆電球)」「磁石の性質」
- 小4:理科「電流のはたらき(モーター)」「もののあたたまり方」
- 小5:理科「電流が生み出す力(電磁石)」
- 小6:理科「電気の利用(センサーによる有効利用)」「ものの燃え方」
- 小全学年:総合的な学習の時間
拡張性
i:oエデュケーションバージョンは、教育現場向けに機能を限定して、価格を抑えながらも、優れた拡張性を備えています。この拡張ボードには、左右にGPIO端子(P0・P1・P2・3V・GND)、手前に2つの拡張ポートがあり、オプションで用意されているセンサーなどとケーブル一本で接続することができます。
図8-8-1-4は、理科実験用の酸素センサーです。空気中の酸素濃度(5%~50%)を測定することができます。第6学年における理科の単元「ものの燃え方」で使用すると、ろうそくの燃焼とともに酸素が減少するのを可視化(グラフ化)することができます。
図8-8-1-5は、-55℃~125℃まで測定できる防水型の温度センサーです。第4学年における理科の単元「もののあたたまり方」で使用すると、温度の変化を可視化(グラフ化)することができます。
左右のGPIO端子には、ワニグチクリップを接続することができます。2本のワニグチクリップで測定したいものを挟むことで、電気を通すものとそうでないものを調べることができます。
4個のフルカラーLED
フルカラーLEDを4個搭載しています。信号機を作ったり、自由な色で点灯させることができます。図8-8-1-7は、左から赤色・青色・黄色・すみれ色に点灯させた例です。
乾電池3本で動作
単四形乾電池3本の電池ボックスを搭載しているので、プログラミングしたi:oエデュケーションバージョンを教室の外へ持ち出して、動作させることができます。
持ち運びや展示も楽々
本体の上部、両端には、ストラップを通すためのスリット(約10mm幅)があります。ストラップを通すことで、持ち運んだり、フック付きのマグネットを使って黒板に展示したりすることができます。
プログラミングのための専用ブロック
i:oエデュケーションバージョンに搭載されたセンサーや機能を、プログラムから利用するために、専用ブロックが用意されています。この専用ブロックは、日本語で「人が動いたら」や「リレー(デジタル)ON」などと書かれているため、わかりやすく、直感的に使うことができます。
図8-8-1-5は「トイレの照明」の動作を再現するプログラムです。「もし人が動いたなら、リレー(デジタル)をON、でなければ、リレー(デジタル)をOFF」という日本語で理解しやすいプログラムを作ることができます。
さらに詳しく...
i:oエデュケーションバージョンのさらに詳しい情報は、ユーレカ工房のウェブサイトをご覧下さい。