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micro:bit Lab.【マイクロビット】

micro:bit Lab.では、micro:bit【マイクロビット】に関する情報を紹介しています。

micro:bit・駆動回路・超音波センサーを同梱
9-5

マイコンロボット(クローラータイプ)の制御

2019-07-312019-07-31

2019年7月にタミヤから発売されたマイコンロボット(クローラータイプ)を、プログラミングによって制御する方法を解説します。

マイコンロボット(クローラータイプ)とは

マイコンロボット(クローラータイプ)は、2019年7月にタミヤから発売されたプログラミング工作シリーズの第一号(No.1)です。2個のモーターで左右のクローラー(履帯)を別々に駆動するクローラー走行タイプの二輪駆動ロボットです。ボディは、白とライトグレーのクリアーパーツを使い、内部を強調したカラーリングとなっています。

タミヤ プログラミング工作シリーズ No.01 マイコンロボット工作セット

micro:bit・超音波センサー・駆動回路を搭載したクローラー走行のロボット工作セットです。インストールされた走行プログラムを元に2つのモーターをコントロール、障害物を避けて自動走行します。

組み立て式のキット

マイコンロボット(クローラータイプ)は、プラモデルのような組み立て式のキットですが、接着剤を使わずに、ネジ止めとはめ込みだけで手軽に組み立てることができます。組立てには「9-1.必要なツールを揃える」で紹介しているニッパーやドライバーを準備しましょう。

図9-5-1.プラモデルのような組み立て式のキット
図9-5-1.プラモデルのような組み立て式のキット

micro:bitが同梱されている!

このマイコンロボット(クローラータイプ)の最大の特徴は、あらかじめ小型のコンピュータボード「micro:bit」・駆動回路(mi-01)・超音波センサー(mi-02)が同梱されていることです。micro:bitと超音波センサー(mi-02)を駆動回路(mi-01)に取り付け、マイコンロボット(クローラータイプ)に内蔵することで、左右のクローラー(履帯)と超音波センサーを制御します。

出荷時のmicro:bitには「超音波センサーで障害物を回避して走るプログラム」が書き込まれているので、組み立ててすぐに自動走行を体験することができます。すぐ遊べるように単三型乾電池2本(別売り)を忘れずに購入しましょう。

図9-5-2.micro:bit・駆動回路(mi-01)・超音波センサー(mi-02)
図9-5-2.micro:bit・駆動回路(mi-01)・超音波センサー(mi-02)

オリジナルの専用ケース

micro:bitを収めるための、タミヤのロゴ入りオリジナル専用ケースが付属しており、この専用ケースに収めたまま、駆動回路(mi-01)の上面にあるコネクターへ差し込むことができます。この専用ケースは、スモークがかったクリアーパーツなので、micro:bitのLED画面がそのまま見えます。また、マイコンロボット(クローラータイプ)の上部もクリアーパーツのため、水平に取り付けられたmicro:bitのLED画面を確認することができます。

図9-5-3.タミヤのロゴ入りオリジナル専用ケース
図9-5-3.タミヤのロゴ入りオリジナル専用ケース

専用ケースがあらかじめついているのは嬉しいですね。micro:bitを取り外して、単体で使うときも背面の電子部品を保護して、安全に遊ぶことができます。

プログラミングができる!

マイコンロボット(クローラータイプ)に搭載されているmicro:bitとパソコンを、マイクロUSBケーブル(別売り)で接続することによって、マイコンロボット(クローラータイプ)の動きを自由にプログラミングすることができます。プログラミングには、micro:bitの開発環境である「MakeCode for micro:bit」を使用します。

図9-5-4.MakeCode for micro:bit
図9-5-4.MakeCode for micro:bit

STEM教育を強く意識した商品

パッケージに「TAMIYA STEM PROJECT」と書かれていることから、STEM教育を強く意識した商品となっていると思われます。STEM教育とは「Science,Technology,Engineering and Mathematics」の頭文字を合わせた言葉で「科学・技術・工学・数学」の4つの教育分野に注力して、IT社会とグローバル社会に適応した国際競争力を持った人材を育てようとする新しい教育の考え方です。

図9-5-5.TAMIYA STEM PROJECT
図9-5-5.TAMIYA STEM PROJECT

日本でも、2020年度から小学校におけるプログラミング教育が必修化されますが、学校の授業でプログラミングに興味を持った子供たちが、さらに深く学ぶための学習教材としておすすめできます。小学校におけるプログラミング教育については「第8章 プログラミング教育+micro:bit」をご覧ください。

マイコンロボット(クローラータイプ)の制御

では、プログラミングによってどのようなことができるのか見てみましょう。

2個のDCモーターを制御する

マイコンロボット(クローラータイプ)は、2個のDCモーターを搭載しています。このDCモーターによって、左右のクローラー(履帯)を別々に駆動します。各DCモーターの回転方向(正転・逆転)と回転スピードを組み合わせることで、前進・後進・右旋回・左旋回などの動作をプログラミングすることができます。

図9-5-6.DCモーターとギヤボックス
図9-5-6.DCモーターとギヤボックス

超音波センサーで距離を測定する

マイコンロボット(クローラータイプ)の正面に大きな目玉のようなパーツが取り付けられています。これは、超音波が跳ね返ってくる時間で距離を測定する超音波センサーで、前方にある障害物までの距離を計ることができます。この超音波センサーによって、前方に障害物を発見した(障害物までの距離がプログラムで指定した値より小さくなった)ときに、停止したり回避するなどの動作をプログラミングすることができます。なお、超音波センサーの仕様は、電源電圧3.3V、40kHz超音波、視野角およそ±30度(水平方向)となっています。

図9-5-7.超音波センサー
図9-5-7.超音波センサー

micro:bitに搭載されているセンサーを使う

micro:bitにあらかじめ搭載されている各種センサーを使って、プログラムすることができます。センサーには、明るさセンサー・加速度センサー・温度センサー・地磁気センサー(コンパス)があります。例えば、明るくなったときだけ走行するように制御できます。

図9-5-8.搭載されたmicro:bit
図9-5-8.搭載されたmicro:bit

マイコンロボット(クローラータイプ)では、micro:bitが水平に搭載されていることから地磁気センサー(コンパス)が有効に動作します。(垂直だと地磁気センサーが正しく動作しません。)一定の方角へ向かって走行するように制御できるのではと期待しているのですが、大きな課題があります。それは、マイコンロボット(クローラータイプ)に搭載されている電子部品やDCモーターから発生する磁気の影響です。特にDCモーターに含まれる永久磁石やコイルに電気が流れるときに発生する磁気は大きく影響しそうです。地磁気センサーは使えるのかどうか?追ってレポートします。

micro:bitに搭載されている無線通信機能を使う

micro:bitには、あらかじめ無線通信機能が搭載されています。別のmicro:bitをコントローラー用として用意すれば、この無線通信機能を使って、マイコンロボット(クローラータイプ)をラジコン化することができます。もう一つのmicro:bitは、自分で用意するか、タミヤカスタマーサービスより購入します。

タミヤカスタマーサービスより購入した場合、コントローラー用のプログラムが書き込み済みです。また、タミヤオリジナル専用ケース(M部品)と電池ボックスも購入可能です。

自分でmicro:bitを用意した場合は「BBC マイクロビットのプログラムについて」からコントローラー用のプログラムをダウンロードすることができます。

図9-5-9.コントローラー用のmicro:bit
図9-5-9.コントローラー用のmicro:bit

スピーカーを鳴らす

マイコンロボット(クローラータイプ)の駆動回路上に、あらかじめスピーカー(ブザー)が搭載されています。プログラミングによって、メロディを演奏することができます。

図9-5-10.搭載されたスピーカー(ブザー)
図9-5-10.搭載されたスピーカー(ブザー)

駆動回路(mi-01)を詳しく見る

BBC micro:bitコネクター

micro:bitを差し込むコネクターです。

図9-5-11.BBC micro:bitコネクター
図9-5-11.BBC micro:bitコネクター

電源コネクター

本体の背面に取り付けられた電池ボックスのケーブルを接続します。

図9-5-12.電源コネクター
図9-5-12.電源コネクター

スイッチコネクター

本体の上部にあるスイッチを接続します。

図9-5-13.スイッチコネクター
図9-5-13.スイッチコネクター

電源LED

スイッチをONにすると、緑色に点灯します。

図9-5-14.電源LED
図9-5-14.電源LED

モーターコネクター(左右)

マイコンロボット(クローラータイプ)の動力源となる左右のDCモーターを接続します。使っているのはノイズが発生しにくい低回転型の130モーターで、このモーターで生み出された動力は、ギヤケースを介して、起動輪に伝えられます。接続には向きがあるので間違えないようにしましょう。

図9-5-15.モーターコネクター(左右)
図9-5-15.モーターコネクター(左右)

スピーカー(ブザー)

micro:bitからメロディを出力することができるスピーカー(ブザー)です。

図9-5-16.スピーカー(ブザー)
図9-5-16.スピーカー(ブザー)

I2Cコネクター

2種類のI2Cコネクターを、合計3つ搭載しています。図の上側にある1つは、I2Cデバイスに電源電圧を供給することができます。下側の2つは3.3Vです。ピンの配列は図の通りです。

図9-5-17.I2Cコネクター
図9-5-17.I2Cコネクター

マイコンロボット(クローラータイプ)の拡張

駆動回路(mi-01)の拡張(I2C)

基板上に合計3つのI2Cコネクターがあり、I2Cデバイスに電源電圧、または3.3Vを供給することができます。そのうち1つ(3.3V)に超音波センサーがつながります。

駆動回路(mi-01)の拡張(エッジコネクター)

残念ながら、micro:bitのエッジコネクターを取り出すための端子は用意されていません。

電池ボックスの拡張(2本から4本へ)

マイコンロボット(クローラータイプ)に付属している電池ボックスを取り外して、タミヤの楽しい工作シリーズ「No.151(ITEM 70151) 単三電池ボックス(2本用・逆転スイッチ付)」を2個取り付けることで、単三型乾電池2本から4本へ拡張することができます。あらかじめ、パーツB6には拡張するためのネジ穴があります。黒い電池ボックスを取り外して、パーツB6を裏返して取り付けます。ただし、駆動回路(mi-01)に接続するための赤いコネクターは別途用意します。

図9-5-18.電池ボックスの拡張
図9-5-18.電池ボックスの拡張

駆動回路(mi-01)の電源電圧は最大6V(1.5V×4本)で、6Vを使用した場合でもmicro:bitへは適正な3.3Vが給電されます。

モーターへの給電は、PWM制御で0V~電源電圧(V)となりますが、3Vを超えての使用は、モーターの定格電圧や回路素子の定格電流を超過し、故障の原因となります。4本に拡張して使用することはメーカーの保証外となりますので、あくまでも自己責任で拡張してください。

LEDの取り付け

マイコンロボット(クローラータイプ)の顔にあたるパーツB5には、目にあたる部分にちょうど直径5mmサイズのLEDが取り付けられるようになっています。

図9-5-19.LEDの取り付け
図9-5-19.LEDの取り付け

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